内容説明
万源九郎が持つ大剣、ゆだのくるす、独鈷杵、三種の神器がそろうとき、世界に何が起こるのか!? 神器を求める男たちの戦いは、異星人や神々をも巻き込み、さらに加速する! 圧倒的スケールの最終巻。
※本書は、二〇一二年六月にエンターブレインより単行本として刊行された『大帝の剣4〈幻魔落涙編〉』の六章以降と『大帝の剣5〈聖魔地獄編〉』を合本し、『大帝の剣4』として文庫化したものが底本です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おかむー
59
四半世紀前にカドカワノベルズから始まったシリーズをついに完結まで読了。『よくできました』。SF要素を入れつつの伝奇忍法帖が最終巻では大いに趣をかえて、ガブリエルとシッダールタが登場して禅問答と壮大な宇宙観で話が進むかと思いきや、終盤では豪放磊落な主人公・万源九郎を中心とした物語に収束させるまとめ方はお見事。武蔵と小次郎と服部半蔵、天草四郎、柳生十兵衛が入り乱れ、剣戟と忍法と異星人と宇宙の生滅のごった煮という、ちょっとない荒唐無稽さを味わえる力業は夢枕獏ならではですね。2020/05/31
サケ太
14
こいつぁとんでもねぇ物語だったぞ!カオスに次ぐ、カオス。膨張が止まらない世界観。遂に完結。四巻開始時点から、ゴータマ・シッダルダ、ガブリエルががっつり登場。思考方法が非常に面白い。それぞれの思惑が完全に明かされ、ついに全員が対峙する。己の目的を果たすために全身全霊を賭ける。どこまでも気持ちのいい漢、源九郎。復讐心と野望渦巻く牡丹。宇宙を破滅から救うために動くガブリエル。どいつもこいつもたまらんぜ。思った以上にきれいに終わった素晴らしい物語。2017/10/28
はかり
13
今冊は異星人との戦いが中心。それにしても、万源九郎は強い。オリハルコンの力は壮大だ。もともと時代劇を描きたいとして、途中で気が変わってSF的な伝奇小説に切り替えたのか。それとも、夢枕なら最初から異星人を登場させる気があったのか。それが分からない。2024/12/04
ettyan えっちゃん
10
1986年である。2024まで、36年もの年月を経て読み終える事ができて、よかった。 そして、この物語は、本当に面白い。 山田風太郎か半村良か。そんな伝奇小説は、とんでもない風呂敷を広げつつ、SFとしても素晴らしい。そして、長い物語は、しっかりと風呂敷を畳んで終わった。 面白いなあ。夢枕獏先生の体力があるうちに完結できた傑作。 キマイラは、どうなるのかなあ2024/05/12
にぃと
9
最終巻にして、最大のスケール感。冒頭からガブリエルとゴーダマ・シッダールタとの問答があり、終盤には源九郎や敵味方の異星人たちも含めたさらに大規模な問答で宇宙の未来について語り合う。戦闘でも敵味方が入れ替わるのでなかなかついて行くのが大変だが、頑張ってついていく価値のある内容。オリハルコンに選ばれた源九郎の力、そして彼の人柄があるから血なまぐささを感じず、ラストシーンが爽やか。登場人物それぞれのその後のストーリーを想像するのも楽しい。2022/09/04