内容説明
『風の市兵衛』の著者入魂! 書き下ろし時代小説、新シリーズ開幕!
鍛え抜かれた刃鉄のように純粋で強靱な、孤高の刀鍛冶・一戸前国包、見参!
時は元禄。
一戸前国包は京橋南の弓町で刀鍛冶を営み評判を呼んでいた。
家宝の刀に魅せられて以来、武士の身分を捨て刀鍛冶に心血を注いできたが、ある時、本家を通じて老中格・柳沢吉保の配下から密命が下る。
武蔵川越領で村人を斬殺した旗本の子弟を斬ってほしい、と。
「天稟の素質」と言われた神陰流の達人である国包の下した決断は――。
孤高にして矜恃を失わぬ男の熱き生き様が胸を打つ、書き下ろし新シリーズ第一弾! 解説・北上次郎
「もしいま、書店でこの文庫本を手にとって迷っているなら、『ちょっと面白いよ』と、あなたの耳元で囁きたい。ただいま、そんな気分である。」(解説より)
――文芸評論家 北上次郎氏
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
66
刃鉄の人1巻。物語は1615年大阪城落城の終わりに大阪郊外で始まるが一気に元禄へ、主人公一戸前国包は刀鍛冶ではあるが、元は武士剣技の才あり。 突然刺客の依頼が、刀鍛冶と刺客何故かスッキリしないが、剣劇シーンはさすが迫力ありでした。 2017/02/06
タツ フカガワ
10
卓越した算勘と剣技の才を持つ主人公が面白い『風の市兵衛』シリーズの著者の、昨年始まった新シリーズ。赤穂浪士討ち入りの興奮が覚めやらぬ元禄の江戸で、士分でもある刀鍛冶の一戸前国包(いっこまえくにかね)に刺客の依頼がくる。依頼主は川越藩主柳沢吉保の重臣で、狙う相手は家臣で槍の名手、斑目新左衛門の嫡男右京。しかしなぜ刺客の依頼がきたのか……。シリーズ1巻目はいろいろと設定紹介があるようで、物語に入り込めたのは中盤過ぎから。しかし終盤の剣劇シーンは期待を裏切らぬ迫力でした。2017/02/16
ぶんぶん
10
【図書館】「決闘・鍵屋の辻」と「十三人の刺客」を合わせたような作品。 辻堂魁の物語は読んでいる方だが、刀鍛冶と刺客(剣客)が、どうしてもマッチしない。 どっちにウエイトを置くかで物語性が変ってしまう。 シリーズ化するのだろうか? 2016/07/17
蕭白
9
主人公は魅力的でしたが、事件?の方は何かモヤっとした感じが・・・。2020/09/08
たか姫
9
時は元禄、武士の身分を捨て刀鍛冶になった一戸前国包に、本家から武蔵川越領で村人を惨殺した旗本を斬って欲しいと密命が下る。亡き祖父から受け継いだ名刀と共に矜侍をも受け継ぐ国包と千野親子、黙って従う十蔵・清順親子の関係にじ~んときた。シリーズ化して千野と清順が夫婦になる様子も見てみたい。2016/07/26




