内容説明
科学・哲学・宗教の三面をあわせもつ普遍的な仏教思想、唯識。「すべては心の中の出来事にすぎない」とする、この大乗仏教の根本思想は、八種の識が世界を生み出し、心に生じる感情や思考は表層に現れると説く。不可思議にして深淵な心の構造を深層から観察・分析し、その秘密を解く唯識思想とは何か。この古くて新しい思想を解説する最良の唯識入門。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Major
45
【Note3】備考: 法相宗(唯識論)における「立破(りっぱ)」「止廃(しはい)」の論理と、現実の興福寺の在り方について: 「教理としての止廃」は徹底されているが、「信仰の対象としての仏像・伽藍」においては、その論理はあえて適用されていない。なぜそのような乖離(あるいは使い分け)があるのか、3つの理由がある。以下に述べる。→ 2026/03/07
十川×三(とがわばつぞう)
41
良書。ヨガ思想の源流。西暦300年頃、この哲学に到達した古代インドの仏教徒は凄い。内へ内へ深く探求。▼龍樹など中観派による「空」思想を補完するようにできたのが唯識思想。玄奘三蔵が翻訳した上、完成させた。▼中村天風『成功の実現』でのヨガのカリアッパ大師との問答、『ミリンダ王の問い』での問答も、この思想だと判明。すっきり!2023/02/28
Major
33
1. 唯識論とは何か: 唯識論とは、四世紀から五世紀にかけてインドで大成された仏教哲学であり、「ただ(唯)識(認識作用)だけが存在し、外界の実体(外境)は存在しない」と説く理論である。私たちが「外にある」と信じている客観的な世界は、実は鏡に映った影のようなものであり、すべては個人の心の深層から生み出された映像に過ぎないとする。唯識は「深層心理学としての仏教」と位置づけられることが多い。その根幹には、以下の命題がある。→2026/03/07
姉勤
33
深遠難解な教義をカジュアル化し読者に想像させる工夫を感じさせる。知覚という人間のハードウエアの限界に束縛された、ソフトたる心の限界を超える作法。世界とは自分自身の心の投影であり、智慧に至れば在り方次第でどうとでも変わる、と。零であり壱であり空であるが観測者の位置により変わる量子論にも似て。自分自身をマリオネットを操るように主観を客観化し、さらにその境すら同期させることで見えてくる善性と慈悲。貪ってる自分の浅ましさをその最中に知る。浅い理解はオウムの魔に似通う危険がある、唯だの稚識。2025/07/26
Tenouji
31
小室直樹氏の書を読んで、少しはわかった気になっていた、唯識。もう少し、詳細を知りたく読んでみた。なぜ阿頼耶識という考え方が出てきたのかも含めて、わかりやすく丁寧に解説されていて面白かった。今、我々が見ている宇宙って、人間の阿頼耶識の写し絵かもしれないね。2023/12/17




