内容説明
「アウシュヴィッツ以後、詩を書くことは野蛮である」──そう記したアドルノが第二次大戦後に糾弾した「啓蒙」は、今や破綻している。実証主義と合理主義に基づく人間の理性は、自然を支配し、技術を統制できる。そう教えてきた「啓蒙」に抗して、啓蒙思想を代表するドニ・ディドロ(1713-84年)は「基準/逸脱」や「正常/異常」といった区別を無効にする「怪物的思考」を実践した。常識を覆すスリリングな思想史!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
マエダ
79
”特異なものの良さは、それがそれを受け入れることのできない体系を解体するちからにある。また、それは、自然すなわち特異性を産むものが、法則や規則の首かせのなかに縛られたままでいることに対抗する抵抗力をもつということの保証となる点にある。特異性によって、自然はその野生を主張する。”ちょっと意味がわからない。2017/03/01
sk
4
ディドロの思想をポスモ風に精読しました、という本。確かに近代の思想家というのは大概ステレオタイプなモダンからかなりの偏差を持っている。それを大胆に検証していて面白かった。2016/06/05
左手爆弾
4
『自然の解明に関する断想』を精読することで、ディドロの特異な「方法論」を浮かびあがらせる一書だと言えるだろう。精読作業はかなり複雑である。邦訳もなく、日本の多くの読者にとっては全容がつかめない同書を、文体や同時代の科学思想の影響なども踏まえてかなり深く読み込んでいく。こうした作業を通じて、ディドロに与えられる①理性信仰、②実験哲学、③言葉と物の一致という3つのレッテルを解体を試みる。啓蒙期の科学思想から、現代の近代批判をもう一度照らし返すという意味で、かなり複雑だが重要な提起を行っている一冊。2016/04/07
代拿邁人☆
1
『自然の解明に関する断想』の精読を通じて、ディドロがどのようなレトリックを用いて怪物的思考を紡いだかが書かれている。タイトルの割に地味な内容だが読みやすくかつ当時の学説との偏差からディドロを位置づけるので勉強になった。註が怒涛の文献紹介になっており特に科学史の本を探している人は参考になるかも。2023/05/26
ぽてと
1
初めの方で著者がという立ち位置なのかは分かったが、そもそも名前ばかり知られていてどのようなことを書いていたかはまるで知られていない思想家の典型例のディドロで本を書こうとした心意気はすごい。で、ディドロの思想がどうかというとなかなか面白そうだが、アドルノやらフーコーやらではなくデリダとの類縁性を感じる。二項対立の解体とか差異がどうとか、そして、文体が詩的すぎてなんとでも言えそうだとかだ。それでもディドロ始め啓蒙思想家たちの復権も行われてしかるべきころなのかもしれない。コンディヤックやヴォルテールなど。2016/07/21
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