内容説明
〈大戦〉とだけ呼ばれる大破壊のあと、個体数を激減させ、種のポテンシャルを大幅に低下させた人類を滅亡の淵から救ったのは、〈ザ・サード〉と呼ばれる超人類であった。そのため人類は突出した優位性を失ってしまい、砂漠となった不毛の大地の上で過酷な生存競争を重ねるしかなくなった。そんな中、砂漠行のエキスパートとして三本の指に数えられる17歳の少女・火乃香は、一振りのカタナと居合いの技を武器に、相棒の機械知性体・ボギーが制御する砂上戦車を駆って、辺境の旅人を護るなんでも屋を営んでいた。ある夜、火乃香は砂漠のど真ん中で一人の青年・イクスと出会う。浮世離れしたイクスだったが、彼には何か大きな秘密があった? アニメ化もされた未完の超人気SFシリーズが、【完全版】として奇跡の再始動!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
80
一昔前のライトノベルの復刊ではあるが私はこの完全版で初読み。二冊合本といった内容。最初の話は設定が濃すぎてたいへんだったけども、二つ目からは飲み込めて読みやすくなった。昔のライトノベルだからなのか、この作品が特にそうなのかわからないがハードな作風で萌えや媚びがない。士郎正宗のイラストがさらに重厚感を醸しだす。古さもまったく感じないし、アクションシーンの書き込みもなかなか切れるものあり。確かに巻数を重ねると面白くなりそうなシリーズだ。2015/11/09
ひょろ
9
富士見ファンタジア時代からのファンなので購入。イラストはキャラ的には後藤なお版の方が好みだが、世界観、機械に関しては士郎正宗氏に軍配が上がる。ラノベでありながらしっかり作りこまれた世界設定できっちりSFしている所が高評価。また、人物の生きざま描き方が実にうまい。特に短編で顕著だから短編の方もシリーズに収めてほしいものです。2016/04/14
てっち
6
大学生時代に読み、その後の人生に大きく影響を与えたライトノベル――の「完全版」。第1巻『蒼い瞳の刀使い』と第2巻『虚ろなる幻影の墓碑』に加筆修正を施し、更にドラゴンマガジン06年4月号に掲載されて以来単行本に一度も収録されていなかった(!)『月読の蝶』を収録。大まかな粗筋・世界観等は他の人の感想参照。あとがき最後の一文「――もう火乃香に会いましたか?」は旧版ファンにとって感涙モノ間違い無し。士郎氏のイラストも後藤氏のものとはまた別のベクトルで雰囲気抜群である2015/11/26
橘梓弓
5
懐かしい。その一言に尽きる。思えば、富士見ファンタジア文庫版のこれは、初めて読んだライトノベルなんだよな。あれから15年。全く変わらないほのちゃんに会えたことがただただ嬉しい。/イラストレーターさんは変わったけど、これはこれで。あとがきでも触れているエンポリウムの街並みや、旧シリーズではおそらくなかったボギーの外観といったキャラ以外の挿絵は、ライトノベルレーベルでないからこそ、だろうな。/短編集はどういう扱いになるんだろう。あれはあれでこの世界を構築する大切な話だから、なんとか同スタイルで刊行してほしい。2015/12/21
イン何とか
5
学生時代に好きだった作品がまさかのリブートということで購入。最近、めっきりSFが駄目になってるかと思ったら、これは意外と大丈夫だった。それくらい元が面白い作品で、且つ懐かしさを感じずにはいられない、新作までちゃんと繋がることを期待したいです2015/11/14