内容説明
「天魔」「仏敵」と誹(そし)られ、畏(おそ)れられた室町六代将軍・足利義教(よしのり)。残虐非道の限りを尽くした男の心に巣くう凄絶な“闇”とは?(「荒墟(あれつか」)。邪教・立川流秘具を手にした後醍醐天皇は、洛中(らくちゅう)の“夜の声”すべてを聴く力を身につける。しかし、そこには底の知れない狂気の世界が待ち受けていた……(「夜の耳の王」)。恐ろしくも美しい、戦慄の全六篇!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miubw
1
・血膏はさみ 北畠軍の残党が出会った怪異。油取り。 ・妖霊星 北条高時の暗殺を企む長崎高資の見た幻、異形コレクション「夢魔」 ・恐怖燈 果心居士が見せる絶世の美人とは。異形「キネマ・キネマ」 ・夜刀浦領異聞 室町時代の千葉氏内乱とクトゥルー神話のコラボ。次々に変な人が出てきて次々に変なことが。何だかよくわからない。 ・夜の耳の王 後醍醐天皇が文観より献上された夜耳頭巾によって全ての人の本音を知る。 ・荒墟 嘉吉の乱 足利義教が痛みを感じない体質設定。とんでもない拷問の数々。日親以外は創作? 異形「恐怖症」2024/02/05
CJ
0
室町怪奇短編集。冒頭はいちばん生理的ホラー度が高い「血膏はさみ」。続く「妖霊星」は長崎高資による陰謀と怪異との絡ませ方が巧かった。時代がやや下る「恐怖燈」では果心居士が期待に違わぬジョーカーぶりを発揮。「夜の耳の王」には後醍醐天皇が登場。真言立川流の妖しげな頭巾によって世間の夜の声が聞こえてしまう様子は、あたかもインターネットのようでもあり。『柳生十兵衛死す』の世阿弥と竹阿弥が想起されるような場面も。「荒墟」は足利義教の行状に意外な理由付けがなされており、けっこう腑に落ちる部分もあった。 2015/09/30
hroko
0
鎌倉幕府滅亡時期と室町幕府滅亡時期の日本が舞台の短編集です。クトゥルーを連想させるような感じの設定で、時代背景が近いため、一休宗純を主人公にしたシリーズ物と同様な伝奇的雰囲気があります。ただ、なんとなく、習作という感じがして、いまひとつ、という読後感です。2014/08/10
Steppenwolf
0
解説にあるとおり山田風太郎のような伝奇幻想小説集である。前作の百怪祭を読み終えていないので感想は別途かくが本作とともに朝松氏はいつこのような作風を身につけたのだろう。平均的には十分満足できる短編集であった。2009/08/23
akiu
0
朝松健を「夜刀浦」目当てで初めて読む。内容は歴史ホラー短篇集。後醍醐天皇や北条高時、足利義教といった歴史上の人物に基づく、おどろおどろしい各エピソードは、目の付け所が良く、とても面白い題材だと思うのですが、なぜか文章そのものが読みづらくて仕方なかった。難解な言い回しを使っているわけではないのに、描写に対するイメージが浮かんでこず、文章だけが上滑りする感覚。肌に合わないとしか言いようの無い謎事象でありました。2011/05/18
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