内容説明
裏世界に名をとどろかす賞金稼ぎ紅雀は、元は高崎藩勘定吟味役の娘で名をお香といった。盗賊一味・高波六歌仙に家中皆殺しに遭った中、唯一の生き残りであった。抜け忍・黒鳶の弟子となったお香は、地獄の苦しみの末に忍びの殺人術を会得。ついに復讐へと旅立つ。標的は高波一味の強者六人と無数の手下ども。美貌の女剣士が斬って斬って斬りまくる! 新シリーズ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
103
うっひょー、これは面白い!小気味よい快作。復讐ものとして勘所押さえまくりだし、展開がキビキビしている上に捻りがあってグイグイ読ませる。退屈する瞬間がない。序盤はヒロインの造形が弱いかと思ったが、後半ひたすら行動を描くだけで立てるなど小憎らしいほど上手い。派手な見せ場が二段構えであったり、アクションメインかと思いきやミステリー的な伏線や仕掛けも丁寧で小技が効いてる。サービス満点の痛快娯楽復讐活劇。今から来月発売の続刊が楽しみで仕方ない。ベテラン作家の別名義だそうだが確かに手練の味わいと巧さ。2015/12/23
ブルーノ
7
初読みの作家さん。家族を殺した高波六歌仙を倒すため、女賞金稼ぎとなった紅雀が強くてカッコ良かった。ただ、敵の全容がよく見えなくて何となくストーリーに入り込めない所もあった。紅雀がどのようにして強くなっていったのか、黒鳶との修行の様子がもっと知りたかったなと思った。続編に期待したい。2017/03/23
ホシナーたかはし
7
通りがけに見かけて気になり購入、大正解!キルビルと言うよりも、「荒野の用心棒」「明日に向かって撃て」等、名作西部劇や黒沢映画の雰囲気まんさい!紅雀が宿場を通るところは、私の頭の中を西部劇の冒頭に流れる口笛の音色が木霊してました。殺陣は北野武監督「座頭市」のスピード感重視、でも仕込笠や暗器の描写はクロスボーンガンダム風。これ良いね!西部劇・時代劇が見たくなる傑作。2016/01/09
紫
4
女剣士チャンバラ活劇、B級映画もしくはVシネマ風味その前編であります。復讐一途な凄腕女賞金稼ぎの大殺陣。ヒロイン紅雀と同業の田嶋は共に腕は立つものの、あからさまに見え見えの茶番劇に翻弄されて、歴戦のアウトローにはあまり見えないのが悩ましいところ。ここは武芸修行を終えたばかりの初仕事といった展開でもよろしかったのでは。先の展開はけっこう見え見えで、首を傾げさせる唐突な言動も何だかけっこう多め。中盤の展開はまるでコントを見るようです。紅雀は見事な皆殺しぶりで屍山血河を作ってみせて、続編へ続く。星3つ。2016/12/02
辺野錠
4
刀を使ったチャンバラだけではなく手裏剣や鎖、更に奇天烈な仕込み武器を使ったアクションが良かった。それだけではなく最初からあったモヤモヤとした違和感から真実が明らかになるどんでん返し要素も良かったポイント。主人公や敵のキャラクターも良かった。敵の持っている技が一人一芸だったのもいい。仇はまだ残っているので紅雀は次にどんな死闘を繰り広げるのかが気になる。ストーリー、キャラクター、アクションといい意味で漫画っぽかったのでコミカライズが欲しい。2016/07/11