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内容説明
戦争広告は、いかに”嘘”をついたのか――?
太平洋戦争中、雑誌には多くの戦意高揚広告が掲載され、また、日本各地で戦争展覧会が開催された。 それらは誰の、どんな意図によって作られ、人々はどのような影響を受けたのだろう。視覚イメージから戦争を読む。
はじめに
序章
第一章 戦争のはじまり
第二章 乾坤一擲と大躍進――大東亜戦争における軍事力
第三章 視覚文化としての銃後の覚悟
第四章 二一世紀における大東亜戦争
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たくのみ
15
古臭い旧式の宣伝、と侮ってはいけない。たくみなキャッチコピー、若者を前面にだす写真、女性の生き生きした姿、群衆の迫力、秀逸なデザイン、わかりやすいイラスト、国家総動員とはこういうことなのだ。「爆弾は炸裂した瞬間しか爆弾ではない」という詩のもつ、えも言われぬ魅力。「英霊は君の奮闘を待っている」が恐ろしい。2016/05/25
niisun
14
自分がイメージしていた内容とは少し異なりましたが、最終章まで読んで作者の伝えたいことが少し解りました。広い意味でのメディアによる第二次大戦の意味生産プロセスを外観しつつ、最後に、21世紀の現代においても今なお続いている戦争の意味生産や意味の塗り直しの実態を解説しています。中でも、某元大阪市長による「ピースおおさか」の“加害展示”の撤去や『永遠の0』等にみられる現代の若者に蔓延る“自虐史観”に対する批判等は、意識的に行われている戦争に対する意味生産であることを頭に入れておくことが重要だと感じさせられます。2017/01/14
keroppi
12
タイトルから、戦時中の広告の本かと思ったが、戦争中から現代まで、戦争が視覚イメージでどう伝えられたかという本だった。図像も多く、その屈性した伝えられ方に、気分が悪くなってきた。事実は、様々な角度から見るべきであるという事をあらためて感じた。2016/09/07
kiho
11
戦争の歴史と意味…情報やメディアによって伝わり方に差が出るということ…そうか…。2018/06/04
りんごたろう
5
レポートに使えそうな部分を物色していたら、面白くて全編読んでしまった。戦時中の日本で強烈なプロパガンダ報道がなされていたことはもはや周知の事実だが、その知識を持つがゆえに、安易に「今は当時の戦争を客観的に把握できている」と錯覚してしまう、落とし穴がある。現代の日本人が歴史に触れるときもまた、(戦時中と同じように)メディアがそこに介在していることを忘れてはいけない。2018/01/26