内容説明
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植物の成長のしくみは、われわれの想像以上に精緻で、それに基づく植物の生命戦略も極めて巧妙であることが、近年の植物生理学の研究で明らかになってきた。本書は、植物の成長に関する現時点での研究の到達点と、その解明に至るまでの歴史的背景を、学部の学生諸氏が理解できる形にまとめたものである。具体的には、陸上植物の中で、現在隆盛を極めている被子植物に注目し、その成長のしくみを、(1)植物に固有の遺伝子や細胞のはたらき、(2)植物器官の形成、(3)植物ホルモンによる成長の制御、の3つの視点から解説する。われわれ人類とはまったく異なるコンセプトで生きる被子植物に固有の生き方や生存戦略を理解して頂けるであろう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
S.J.
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本書は植物の成長機序に関する植物生理学のテキストである。特に被子植物の成長を中心に、固有の遺伝子や細胞の働き、器官の形成、植物ホルモンによる成長制御の観点からそのメカニズムを「解剖」している。植物とはいえ、分子レベルでは多くの点で動物細胞や菌類と類似した生理機構が働いているものだ。しかし細胞レベル以上となると、ずいぶんと違った光景が見えてくる。これまで動物や菌類の生理学を中心に学んできた自分にとって、同じ生理学でも新鮮な雰囲気を楽しむことができた。2016/05/30
NISHI
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これも筆者の講義の参考書に指定されていたため。植物生理の概要をつかむには最適か。初学者向き。2013/02/27