内容説明
これが現代日本のルポルタージュだ。
ルポライターとは、都市の荒野を駆ける“野良犬”である。その眼の先にある種別、対象、テーマ、職業、性別、世代、有名、無名、権力、カネの有無を問わない。野良犬が追うものは、同時代の権力や制度の網からこぼれ落ちた個々の人間の本能の姿だ。
東京オリンピックの喧騒の中で、「日本のアニメやマンガは世界一」と喧伝される標語化した「クールジャパン」に潜む、半ば無意識下に既成事実化される表現規制(都条例や児童ポルノ法をめぐる表現の自由問題)、オリンピック開催による環境浄化の本質を長年の取材から、戦後日本の社会・権力の闇に照射し、鋭く抉り出す渾身の長編ノンフィクション!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くみこ
7
知人と見た「これでいいのか北区」が面白かったので、昼間たかしって何者?と興味を持って手にした一冊。気軽に読み始めたわりにはシリアスな内容でした。漫画やアニメなどの表現規制に関して、東京都の青少年健全育成条例が成立に至るいきさつなど、関係者の実名を挙げながら、体当たりで取材したルポルタージュです。私たちが自由だと思っているこの国も、実はかなり窮屈なのかもしれません。じんわりと強まる規制は不気味です。2016/01/06
スプリント
5
サブカルチャーに関する事件や法規制の攻防などについて裏話が満載で面白かったです。作家・出版社・消費者そして監督官庁の様々な思惑とスレ違いがよく理解できます。2016/04/16
hiratax
5
オタクコンテンツ文化論、みたいなジャンルの中で、著者の立ち位置が特異なのは、ジャーナリスト・ルポライターとして、きちんと人に話を聞きに行っているところだ。オタクコンテンツ系の書き手というのは、だいたいが「僕の好きなもの」をアツく語り、内側に情熱を発露させるだけにとどまるのに対し、著者はインフラとしてのオタク文化をきちっと捉えようとしている。それはどうでもいいクールジャパン礼賛でもなく、著者は竹中労に私淑している通り、地を這う目線がある。2016/01/11
オズ
4
著者の昼間たかしは煮え切らない左翼活動家の一面もあり、その部分だけであれば全く本を読む気分になれないのだが、今はない雑誌『ゲーム批評』などにも関係した人物である。昼間はルポライターとして本書ではおたくに関わりの大きな問題である表現規制やヘイトスピーチ、ロフトや映画『この世界の片隅に』などいろいろなものを取り扱っている。わりと新しい本だけに話題も旬のものがある。自分の書きたい題材に対して足を使って取材し丁寧に記す誠実さを感じさせる。面白い人ではあるがやや真面目すぎるところがある。2016/11/08
miharasi_mamiya
2
コミック表現規制関係の内容を中心にした内容をまとめたもの。面白い人や興味をひかれた人をいろいろ取材にいっていて知らない分野なので新鮮だった。2016/08/22
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