内容説明
秀吉軍に挟撃された知将・佐々成政は絶体絶命の危機に陥った。存亡を賭けた“厳冬の飛騨超え”を決行。雪と氷の地獄に挑んだが、自然の猛威の前に兵たちは次々に倒れた。が、この無謀ともいえる雪中行の背後には、驚天動地の陰謀が隠されていた……。
感想・レビュー
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yamakujira
1
佐々成政の「さらさら越え」をテーマにして、成政に助けられた謎の男、武虎の活躍をえがく。主従を狙う刺客、伝七との攻防、裏切り者は誰なのか、そして武虎の意外な正体とは、史実の欠片に肉付けした作り話を、複層的なミステリー要素が楽しませてくれる。でも、武虎の正体が突飛すぎるなぁ。重臣がこんなに死んじゃ、帰国しても困るよねぇ。それに最後はひとりになっちゃったよ。この時代に冬の北アルプスを横断するなんて、どれだけの苦難があったのだろうか。史料が残っていれば、登山史を飾るのになぁ。 (★★★☆☆)2015/09/06