内容説明
つかの間千草苑を離れ、亡き妻との思い出のある地へと旅立つ祖父の木太郎(もくたろう)。黄昏時、波打ち際に佇(たたず)む彼に囁きかけるものは(「浜辺にて」)。若さ故の迷いから、将来を見失ったりら子が、古い楠の群れに守られた山で、奇妙な運命を辿った親戚と出会う(「鎮守の森」)。ひとと花、植物たちの思いが交錯する物語。花咲家のひとびとが存在するとき、そこに優しい奇跡が起きる。書下し連作短篇全六話。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
179
『ただ車窓を見つめ、目的地に向かう電車と一心同体になって、揺られていればいい』という『旅』の時間は、私たちに『迷っていることも悩んでいることも、忘れていられる』という時間を提供してくれる機会だと思います。そして、そんな時間は『自分はどう生きていきたかったのか、夢は何だったのか』と、今の自分をゆっくりと見つめる時間を与えてくれるものなのかもしれません。『旅』をテーマにしたこの作品。”花咲家シリーズ”の一作として、植物たちの語らいを聞き、植物たちに優しく語りかける花咲家の人々の姿が強く印象に残った作品でした。2022/05/11
SJW
106
花咲家の5人と1匹の旅にまつわる6話の連作短編。祖父の木太郎は亡き妻との思いでの地に旅して、草花に助けられて思い出に浸たる。白猫の白雪はトラックの上でしがみついているうちに見知らぬ山に連れていかれて、不思議な家にお世話になる。人と草花の優しい奇跡を描く大人の童話にほっこりさせてくれる。2021/04/18
榊原 香織
103
植物と話せる一族シリーズ3 幻想度合いがアップ。猫の小雪があまりにかわいいので、どこかで聞いたようなSFでも許せる。あと、最後の末っ子桂の話はなかなか良かった。2026/03/03
ひめありす@灯れ松明の火
101
遠く、近く、懐かしみの所、はじめましての所、あてどころのない時、目標を見定めた時、十分に用意して、不意に始まって、誰かと、独りで、何処かに行きたくて、此処には居たくなくて。旅の理由はいつもそれぞれ。日常は小さな旅の繰り返し。下手糞な歩みがぐるぐる同じ所を歩いている様に思えても、繋がっていない未来なんてない。地球が少しだけまわっているから、違う所へ歩けているんだ。安心してどこへ行ってもいい。優しいあの街はきっといち早く風の便りを聞き分けてくれる。帰るべき目印になる、大きな樹だってある。bon boyage!2016/06/04
とし
91
今回は花咲家の人々の個々のそれぞれの旅のお話、猫の小雪も小さな旅に、優しい、暖かく、少し切なく悲しく、ほんわかとさせてもらいました。 2016/07/10
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