内容説明
リンダ・ヴァランダー、まもなく三十歳。警察学校を修了して秋からイースタ署に赴任することが決まり、この夏は父クルトのアパートに同居している。久しぶりの故郷で、旧友ふたりとのつきあいも復活した。だが、その友人のひとりアンナがいきなり行方不明に。いなくなる直前にアンナは、彼女が幼いころに姿を消したままの父親の姿を見たと、リンダに告げていた。アンナになにが? 心配のあまり、まだ正式に警察官になっていないからと諫める父の制止を無視し勝手に調べはじめるリンダ。全世界で4000万部突破! スウェーデンミステリの巨匠マンケルの人気シリーズ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
174
従来のヴァランダーシリーズとは異なる感じです。娘の視点から書かれているので少し違和感があります。ただこの主人公もヴァランダーの血を引いていて警察官になるわりには結構すごいことをしでかします。子供も子供なら親も親という感じであまり娘に耳を貸すことはありません。父親との昔のことを思い出したりしながら話は進みます。父と娘の物語のような感じです。2017/01/29
紅はこべ
145
ケネス・ブラナー主演のドラマでは、リンダは結婚して一女の母となっている。原作とは設定が違う。リンダ、怒りっぽいな。警察官に向いているんだろうか。ヴァランダーって、妻に手を上げるタイプだったのか。人民寺院の事件はNHKBSプレミアムで以前見た。スウェーデンミステリで取り上げるのは意外。2021/04/19
ケイ
121
ヴァランダーの娘が警察学校を卒業。本当の採用が始まる前に、彼女の周りで起こるきな臭い出来事。これはこれで先んも気になる展開だが、娘の言うことに耳がきちんと傾けないヴァランダーをみるのが歯がゆい感じだ。感想は下巻に。2016/12/16
ふう
82
刑事ヴァランダーシリーズですが、今回は娘のリンダを中心に物語が進みます。あれこれと悩みながら、30歳になろうとするときに、父親と同じ警察官への道を選んだリンダ。父親の仕事ぶりに感化されてという爽やかな雰囲気は微塵も感じられません。父と娘は確執の多い関係ですが、この親子はとくにひどい。二人とも口は悪いし怒りっぽいし…。もう少し穏やかに冷静に話し合えたら、事件の解決がいくらかでも早まるんじゃないかとやきもきしてしまいました。事件はこれまでの作品同様残忍で不気味。どきどきしながら一気に(下)へ向かいます。2019/01/27
タツ フカガワ
72
ヴァランダーの娘リンダが警察学校を卒業。イースタ署で警察官実習生としての勤務を間近に控えていたとき、親友のアンナが失踪する。まもなくアンナの日記に記されていた文化地理学者の女性がバラバラ死体で発見され、リンダは独自にアンナの行方を調べ始める。シリーズの時系列でいえば8作目から続くリンダ主人公のスピンオフ。頑固で怒りっぽく調査が強引だったりと、オヤジそっくりの性格が微笑ましい。終盤、プロローグ(実際にあった人民寺院の集団自殺)の陰が覆うような状況のなか、リンダが襲われたところで下巻へ。2023/10/09
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