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内容説明
2020年、オリンピックを目前に控え、“浄化作戦”と称した異常な排斥運動が行われている東京。漫画家・日比野幹雄は「DARK・WALKER」を雑誌に発表するが、一人の抗議文により、掲載中止に追い込まれてしまう。単行本が有害指定を受けるリスクを感じながらも、Web掲載に活路を見出す日比野。そんな時、「DARK・WALKER」の翻訳出版権獲得を目指す、アメリカの翻訳出版社代表・アルフレッドから有害指定を避ける有効な方法があると言われ──!? “表現の自由”を巡る衝撃作、クライマックス!!!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
トラシショウ。
26
2020年。東京オリンピック開催を前に異常なまでの表現規制、悪書排斥運動に揺れる日本。暴力描写を含む自作「ダークウォーカー」を、有害図書に指定されない為の抜け道を授けるアルフレッドの助言により、かえって漫画家として、一人の創作者、表現者としての矜持を新たにした日比野を待ち受ける有害図書法案の「有識者」達の魔女狩りのごとき査問会での冷ややかな、そして苦い結末。何と希望のない未来図だろうか。何と無思慮、無理解な「有識者」達だろうか。本作は純然たるフィクションであるが5年後はどうだろうか?(以下コメ欄に余談)。2015/12/23
緋莢
19
「…もし もしもこの先 漫画家が面白い漫画を描くってことを二の次にして 何かをごまかすことばかり考え始めたら そうなったら本当に漫画は終わりなんだ!!」、『DARK・WALKER』の翻訳をしたいというアメリカの出版社代表から、「有害指定を避ける方法」というのを聴くも、そのままの形で続けようとする幹雄。そんな幹雄に、有識者会議による 有害作家認定の公開審議への召喚状が届きます。「(実際は24歳だが)容姿が18歳に見えるキャラクターが煙草を吸いたいという描写は有害」など、もはや言いがかりのレベルの追及(続く 2020/04/09
G
17
様々なメディア媒体が氾濫し、情報を取捨選択するスキルが必要な現代において、ある程度の規制を遵守することは大切に思う。また作品は商品でもあるから、金銭が発生し波及もする。しかし映像屋の末端に身を置く者としてあえて言及するならば「観るものの価値観こそが作品の完成である」ということだ。個人の表現が紆余曲折を経て流出し、視聴する者の考えや答えになる。良くも悪くもだ。それは鑑賞する者の勝手だ。そこに主張を誘導するような法規は介入すべきではない。鑑賞者は子どもだろうが大人だろうが、そんなに馬鹿じゃないって。2015/12/22
a
14
メッセージ性が直球ですが、力強くて面白かったです。表現の自由という境界の曖昧なテーマで、綺麗なオチに繋げられたのは素晴らしいと思いました。「規制の強さは社会の臆病さ」という作中の台詞は確かにその通りで、一定の規制は人間の性悪説に則れば勿論必要ですが、規制が行き過ぎれば、作中のシーンから想起できるように閉鎖的で独裁的な社会が生まれてしまいます。70年後の日本では、作中の日比野や松本のようにクリエイターが規制と戦いながら作品を作る時代となってしまうのか…それは今を生きる我々に委ねられているのだと思いました。2016/01/11
かおりっくま
14
表現規制に対しての自分の意見を言わずして感想を書く事が出来ない。そんなダイレクトに読者に訴えかけてくる漫画だ。私の意見はまとまってからコメントで2015/12/24