内容説明
一向に決着のつかない北方領土問題に解決の目安はあるのか。幕末から今にいたる日本とロシアとの北方領土、国境確定の交渉の歴史を、客観的に明らかにするとともに、解決にむけての具体的提言を示す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
13
江戸末期から小泉政権までの日ロ交渉史。主な流れは、日露和親条約(1855年)~樺太千島交換条約(1875年)~ポーツマス条約(1905年)~日ソ基本条約(1925年)~日ソ中立条約(1941年)~ヤルタ・ポツダム協定(1945年)~サンフランシスコ条約(1951年)~日ソ共同宣言(1956年)~東京宣言(1993年)~川奈提案(1998年)~。本書を読む限り、北方領土の帰属は日本に優位であると言わざるを得ない。平和条約を結んだ場合、最低でも歯舞・色丹は帰ってこなければならない。できない首相は余程の無能だ。2016/11/23
たけふじ
3
「平和条約が結ばれていないのは不健全」と言いつつも、互いに外交相手として最優先とは見ていない。自らがフリーハンドになれる最盛期を、たとえば田中角栄は中国を、ゴルバチョフは西洋を優先することで費やした。結局、最盛期を過ぎた頃には「優先されなかった」ソ連/日本は保守化して領土交渉の機を逸している。その繰り返しだ。領土問題を認めた日ソ共同宣言、四島を交渉対象とした東京宣言、2000年までの解決を謳ったモスクワ宣言と漸進はしている。それでもあと一歩が踏み出せないのは、やはり優先度合いの低さがなせるものなのだろう。2018/08/16
たけふじ
1
本作の中ではソ連/ロシア側のトップの権力が盤石な時に交渉を行わないことを責めているが、日本側も機を逸し続けている(ゴルバチョフ政権初期に秋波を送らないなど)ことは同じ。外交政策としての優先度の低さがなお平和条約が未締結という情けない状態につながるという主張には深く頷く。改訂版の発行から今年で12年だが領土問題は進歩なし。2016年末のプーチン訪日で一瞬盛り上がったが、以降メディアで取り上げられることもめっきり減った。結果として国民の関心が薄れる。まだまだ平和条約締結には時間がかかりそうだ。2017/11/24
ELW
1
五年越しの宿題で久しぶりに北方領土関係に挑戦した。いまの安倍政権が 憲法改正だけでなく、こっちにも取り組んでくれたならと思った。ロシアが 4島ではなく2島しか返さなかった場合の日本の感情の叙述が面白かった。岩下明裕の『日本の国境』を読んでおいてよかった。 2016/08/10
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