内容説明
「私」は北満・孫呉を守る上等兵。同じ中隊に貴三郎と名乗るテキ屋上がりの初年兵が入隊してきた。坊ちゃん育ちの私は驚くばかり。その貴三郎の生活訓練を私が受け持つとは！ 入隊式の日、貴三郎は早速、暴れた。が、私は彼に人間的な愛を感じていく。中隊に移動命令が下った。「列車を切り離して脱走を」と考えた二人は……。
感想・レビュー
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Peter-John
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若いころに読んだ有馬頼義の『貴三郎一代』を読了。光文社文庫では『兵隊やくざ』の戦中編と戦後編になっているが、むしろ軍隊編と脱走編の内容。 満州で「私」が大宮貴三郎と会うところから、敗戦後に引きあげるとこれまでが描かれる。 映画では私役が田村高廣、貴三郎役が勝新太郎。イメージどおり。 事件はいろいろと起こるが、淡々と描かれるなか、なぜか叙情性が感じられる。 有馬頼義は筑後国久留米藩第16代目。 2024/01/25
