内容説明
大東亜戦争における日本の「失敗の本質」とは何か? それは、「戦争設計のなさ(政治的に何を勝利とするかが不分明)」と、「軍略(軍)と政略(政府)の連携不備」、「実働主体たる陸海軍の協同体制の不備」等々に原因を求めることができるが、それでも「愚かな戦争」という既成概念からは見えてこない、「優位戦思考」による戦局転回の機会はあった。「戦争目的(自存自衛、東亜の白人列強からの解放)」を達するために為すべきこと、できうることは何だったか。「優位戦思考」から分析すれば、日本の意志を戦後の国際秩序に反映させる「講和」は勝ち得たのではないか。「優位」な状況を活かせなかったとすれば、私たちの弱点や短所は何か。これらの問いかけこそが、未来の日本を切り拓く戦後の私たちに必要な教訓ではないか。独創的な発想による慧眼の士である日下公人氏と、氏に「知的刺激に満ちた時間だった」と言わしめた気鋭の論客による白熱の談議。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Honey
11
膨大な資料と自らの体験も踏まえ、第2次大戦での日本の失敗を多方面から検証。失敗は隠したり見ぬふりをすれば、また同じ事を繰り返す危険が…新事実が次々公開されてきている今こそ、もう一度過去を見直し学ぼう。国家の指導層が日本人と非日本人の思考の違いを理解せず度々外交を失敗、日本人独特の庇い合うという”美徳”が、リーダー層の小集団内で発揮され、せっかくの現場の臨機応変な素晴らしい活躍を無駄にし、結局国益を大きく損なってしまった。 外国からの工作を差し引いても、優位戦志向であれば、もっと柔軟に有利に動けた…2018/05/07
T坊主
9
1)日本人は大東亜戦争から教訓を学んでいるのだろうか、疑問である。2)今だ国連では敵国条項の解けない日本、それ程欧米はまだ日本を恐れているの?そうだよね、嫌がらせをはねのけながら経済は世界3位、世界最大の貯金。3)国家の指導者は、国として後に引けないような正義を振りかざすな、これは与野党にも言える。4)大東亜戦争の失敗は根本的なところで持っていた戦争像と実際にやった戦争とが全然違っていた。機略と構想が富んだ逞しいリーダーシップを発揮できる政治と軍事の指導者が持てなかった。年功序列の尊重、適材適所の不採用。2016/05/14
hdo obata
7
日本がなぜ先の大戦に突入したのか?それは国際政治上、孤立したからと思う。一番の痛手は日英同盟の解消であろう。情報戦に弱い事、プロパガンダ戦に中国にしてやられた結果、国際世論を味方につけられなかった。統治機構の方では「統帥権干犯」問題である。これで政治が軍事にコントロールできなかった。陸海軍の戦争目的が違っていた。日本の生死を賭けた戦争をそれこそ効率的に行えなかった。その結果310万の日本人がなくなったのである。小生なりのこの本の総括が以上となります。 2019/07/30
hdo obata
7
この本の目指すものは「戦後レジームからの脱却」、言い換えれば「東京裁判史観」の呪縛からの解放であろう。近代日本の歩みの日本人による「総括」がこの本である。もう一度読もう。「未来は過去からやってくる。」2016/02/27
templecity
4
欧米キリスト教では、白人だけが神から授権され、それ以外の人種は奴隷との教えから南北アメリカ大陸やアジアでも先住民を虐殺したり略奪したりして植民地として支配してきた。それを解放したのが日本であると撃墜王坂井も述べていた。第二次大戦後70の国が新たに国際連合に加盟したがイスラエルなど2国を除きすべてアジアアフリカの国々。日本が白人の国と闘って勇気を与えたのが原因の1つ。(続きあり)2019/01/18
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