内容説明
フジテレビ「とくダネ!」アナウンサーが覚悟を決めて書いたテレビ報道の裏側
震災報道の真実。
被災地ノンフィクションの決定版!
私たちは「余計な人間」ではないか?
ボランティアをしたほうが役立つのではないか?
被災者に水や食料をあげたほうがいいのではないか?
取材車で行方不明者捜しを手伝った方がいいのではないか?
いや、それならば、何のために僕はここにいるのか…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しいたけ
64
東日本大震災にいち早く現地入りした笠井アナのノンフィクション。決して綺麗ごとではない、笠井さんの熱や迷い、失敗が語られる。初期の地獄絵図の中、被災者のとなりにいた笠井さんだからこそ文章に表せた実情がある。悲惨さに込み上げるものがあり、外出先では読めない。文庫化に際して最後に一章書き加えられている。そこで初めて明かされる笠井さんの懺悔。打ち明けた笠井さんの勇気や心情を、あえて美化しないでおきたい。これを読んだ私も笠井さんと共に、被災された方に深く頭を下げたいと思う。この本の印税は全て被災地に寄付される。2016/03/18
ぶんこ
58
普段テレビを観ない我が家ですが、熊本地震でテレビを観る時間が増え、レポーターやナレーターの違いが伝わってきます。個人的には常に冷静なテレビ朝日の竹内さん?(男性)のレポートが安心して観ていられて、感情的な笠井さんのレポート(観ていませんが)は観続けられないだろうと思っていました。そんな時に読んだので、笠井さんの苦悩、笠井さんのご家族の苦悩。PTSDにかかってしまっていた事。支援物資も届けず、人命救助もしないマスコミに批判的でしたが、少しですが意識が変わりました。報道も大事だと。2016/04/23
to boy
25
TVを見ないので著者の笠井アナウンサーって知らないのですが、震災にいち早く駆けつけた報道クルー達の物語。私はマスコミ嫌いなので、特権階級みたいな自意識が気になってあまり好感が持てませんでした。が、援助された食料を食べてはいけない、報道のために来ているのであって手助けに来ているのではないという困難な状況はよく理解できました。スクープを狙う事が目的なのか報道が目的なのかという微妙な差異を語って欲しかった。2016/03/05
百太
17
印税を全て寄付する笠井さんに敬意。心情はお察ししますが・・・奥さんとお子さんのエピソードは、気持ちがザラつきました。2012/09/13
千冬
13
どうがんばっても一気に読み進めることができなかった。1日、あるいは1週間単位で間を空けながら、ゆっくり読み終えた。取材陣としての苦悩が繰り返し語られ、本気で心が痛くなるほど悩んだのだろうな、という気持ちが伝わってくる。時に涙を流しながら原稿を書いているとあり、また読んでいる自分も時折涙を流しながら読んでいた。あれから一年が過ぎた。まだまだ全てが終わってはいないけれど、少しずつ前に進んでいけるといい、と切に願います。2012/04/17