角川新書<br> 文系学部解体

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角川新書
文系学部解体

  • 著者名:室井尚【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • KADOKAWA(2015/12発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784040820514

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内容説明

下村文科大臣は国立大学に対し「文系学部・学科の縮小や廃止」を要請した。成果主義の導入、職業訓練校化――所属学科の廃止を通告された大学教授が、新自由主義の波に翻弄される現場を描く衝撃のレポート。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

masabi

19
文系学部の見直し、実質的な廃止に対する異論。大学の輩出する人材と社会・国家の求める人材のミスマッチが問題の根底にありそうだ。企業はグローバル化に対応した即戦力のような人材を、大学はどのような人材の育成に力を入れているのだろうか。筆者は文科省のやり方にも、かといって問題を単純な二項対立として理解し、本質を見ようとしないマスコミにも怒っている。かといって昔のままの大学が良かったといえばそれは違うと思う。2016/02/09

C-biscuit

18
図書館から借りる。タイトルが刺激的である。内容は国立大学が国からの要請で 「産業に役立つ学部に注力せよ」に対する反論である。本を読んで感じることは、冒頭に著者が書かれている通り、「人は自分の経験を通してしか物事を測れない。」ということであり、民間企業で働いていると当たり前とも思う。もっとも大学という教育機関であるので、乱暴な当てはめはできないが、私立大学の運営ももっと選択と集中が進んでいるようにも思う。人材の多様性については、大賛成であり、特徴ある教育、教養はイノベーションを起こすことができると感じる。2016/02/10

to$hi

16
何がまずく、誰が悪いのやら。政治も悪い、官僚も悪い、勿論大学自身も悪い。声をあげて批判が出来ないのであれば、しょうがないと諦めるのではなく、せめてやれるだけのことはやるだけしかない。「無知との戦い」、「無思考との戦い」は絶えず続けていかないといけない。2015/12/31

Riopapa

15
考えていた以上に文系学部は追い詰められた状態。自分が学生だった30年前はのどかだったが、ちょうどその頃から変化が始まっていた。今、理系の学校に勤務しているが、理系の先生方も研究費を減らされ、外部資金獲得に必死。日本の高等教育は瀕死の状態。2017/06/11

軍縮地球市民shinshin

15
近年の文科省の大学行政の迷走ぶりと、それに直接振り回される国立大学の内実がよくわかった。「社会の役に立つ」学問だけがもてはやされ、その対極にある哲学・文学・歴史学などの人文科学が国立大学から撤去されようとしている。文科省もそうだが大学に「すぐ役に立つ」ことがりを要請する企業や日本社会がその根源にあると僕は思う。現に理系に比べれば文学部生の就職先などないではないか。また高度経済成長後、学部特性を無視して「文系ならば営業」というアタマしかない企業こそが、こういった考えをやめない限り文学部はなくなるのである。2016/02/24

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