内容説明
甘く、危うい魔界の匂い――。時は明治、寧子と時子の姉妹は、鹿鳴館で記憶を無くした紳士と出会う。彼の名はドラクラ。その妖しい美しさに、彼女らは惹かれていくが……。近代日本と中世欧州を繋ぐ、愛と死の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yumiDON
46
舞台は明治時代の鹿鳴館、寧子の前に怪人ドラクラが降り立つ。ドラクラと言っても、吸血鬼ではなく、ドラキュラのモデルとなった、ヴラド・ツェペシュ、ワラキア公国の串刺し公だ。帯に怪奇ロマンスと銘うってあるだけあって、文明開化、欧化政策の進む、あわいの現し世が何とも怪しげで魅力的だ。ただし、ヴラドはあんなに夢中になる男だろうか。全く魅力に思えなかった。それだけが残念。ストーリーはしっかりしていて、読み応えあった。2017/01/30
のぶ
46
この作品、明治の鹿鳴館の時代と1400年代のヨーロッパを行き交う怪奇小説だが、二つの世界を結ぶキーパーソン、ヴラドと言う人物が登場する。この人ドラキュラ伯爵の事、ヴラドに伴う串刺し刑等の逸話も出てくるが、作中にその辺の説明がほとんどないので、知識を持たない人はヴラドの事を、予めネットで調べておくとすんなり入れると思う。自分も途中からそうしたら理解度が深まった。この作家の作品は初めて読んだが、この小説の雰囲気は、皆川博子と京極夏彦を混ぜ合わせたような感じだった。2016/01/07
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
31
ワタシの好みっぽいタイトルに惹かれて、萩耿介さん初読み。 残念ながら?(笑)、「ドラクラ」は吸血鬼ドラキュラではなく、そのモデルとなったワラキアの串刺し公ヴラド氏。 彼は何故、400 年の時空を超えて明治の日本に現れたのか…。 華やかな鹿鳴館と、血生臭いオスマン帝国との戦いの落差が凄いのですが、歴史好きなので興味深く楽しめました。 ちょっと耽美な、大人のファンタジーで良かったです☆2016/01/13
fuyo
4
ドラキュラの話かと思って読み始めたら、ヴラド公のお話でした。ひたすら夜のイメージを纏う中、最後の章でぱっと光が射すような。そして、この小説はずっとヴラド公の運命を描いていたのだと思ったいたのだけど、それよりもっとこれは恋愛小説なのだなあと。序盤に「海」の話が出て来るのだけど、中盤で再び見たことのない「海」についての会話を読んだ時、この人は時代を超えても変わらないのだなあと、何故かじわっとしてしまった。2018/03/05
マミ子
3
ちょっと前に見たDVDドラキュラzeroを思い出しました。2016/02/11
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