岩波文庫<br> 文学論(下)

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岩波文庫
文学論(下)

  • 著者名:夏目漱石
  • 価格 ¥1,034(本体¥940)
  • 岩波書店(2015/12発売)
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  • ISBN:9784003600153

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内容説明

倫敦の孤灯の下で文学とは何か問い続け,研究ノートを唯一の財産に帰国した後の帝大講義録.F+fなる恐るべき公式を提唱し,世界文学の内容を片端から引用して読んでみせ,書く方法の発見へと誘う.社会,心理,科学,芸術,道徳など多彩な視点から文学の巨像をとらえ,漱石は文豪への道を踏み出す.【注解=亀井俊介】

目次

目  次

 第四編 文学的内容の相互関係
   真を伝ふる手段/聯想法
  第一章 投出語法
   意義/抽象事物の擬人法/その価値/十八世紀文学
  第二章 投入語法
   意義/投出語法との関係
  第三章 自己と隔離せる聯想
   範囲の拡大/写生/条件/古典の引用/Homeric simile/Arnold
  第四章 滑稽的聯想
   特質/文学的価値
  第一節 口合
   条件/Hood/無意識的洒落
  第二節 頓才
  第五章 調和法
   効果/日本人の自然に対する愛/自然界の景物/俳文学/人工的調和
  第六章 対置法
   調和法の一変体
  第一節 緩勢法
  第二節 強勢法
  [附] 仮対法
   Macbethの門衛/正反両解
  第三節 不対法
   Fielding のTom Jones/Sterne のTristram Shandy
  第七章 写実法
   他の諸法との関係/写実法の効果/Wordsworth の主張/材料の写実/Crabbe/Austen/Bronte/浪漫、理想両派/その特質
  第八章 間隔論
   形式の幻惑/歴史的現在/批評的作品/同情的作品/編中人物の位地変更/Burns と Goldsmith/Ivanhoe/Samson Agonistes
 第五編 集合的F
  第一章 一代における三種の集合的F
   模擬的F/能才的F/天才的F/天才の核/天才独特の意識波動/総括的批評
  第二章 意識推移の原則
   暗示法/有力なるSなき場合/Fが自己の傾向による場合/Fに一定の傾向ある場合/推移の法則
  第三章 原則の応用(一)
   推移の自然と必要/倦厭/推移は必ずしも進歩にあらず
  第四章 原則の応用(二)
   予期/その弊と効果
  第五章 原則の応用(三)
   推移の次第/典型派/浪漫派/沙翁崇拝/Spenser 復活/反動/例外/Ruskin/Grant Allen
  第六章 原則の応用(四)
   焦点意識の競争/英文学史上の例証/Pre-Raphaelites/Impressionists/成功の意義/成功は才に比例するものにあらず
  第七章 補 遺
   (一)文界に及ぼす暗示の種類<SPARENB/>い<SPARENE/>物質的状況と文学/Elizabethan Age<SPARENB/>ろ<SPARENE/>政治と文学/仏国革命<SPARENB/>は<SPARENE/>道徳と文学/(二)新旧精粗に関して暗示の種類/(三)暗示の方向とその生命
   解 説(亀井俊介)
   索  引
   注  解(亀井俊介)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Gotoran

44
認識的要素のFと情緒的要素のfで、合わせて文学の内容と云う。本書(下)では、文学的内容の相互関係として、聯想法や語法を探究し、豊富な実例を引用し、文学の面白さを解き明かしていく。さらに文学を読む視点から書き方にまで言及していく。漱石がひとり倫敦で全身全霊を賭して悩み考え抜いたと云う”文学論”を興味深く読んでみた。2023/04/25

たつや

20
デフォーの作風について、どの作品もいずれも長い気がする。と、漱石が評したのを読んで、漱石でさえ「長い」と感じる小説があるのかと、元気が出た。ただ、総席自身が、全て書ききれていないような表現をしていたので、本作は「未完」という印象が強い。2016/06/21

ころこ

19
重要なことは前半に集約されているので、後半で語ることはありません。2020/12/26

逆丸カツハ

14
流し読み。漱石は面白いな。2024/04/03

shinano

7
学者漱石を実感しました。漱石の(英)文学の研究に、貧無学な私にとって沙翁はじめ多々の英国詩人文人を教わりました。「意識」の推移と暗示ということが文学を世に示す上での大切なものであることを説いていました。文学の捉え方を詩人作家評家にだけ注目するのでなく、社会と社会意識や経済と政治宗教の躍動である歴史を背景にして初めて文学といえると、漱石は確固たる信念で説いています。漱石特有の言葉の使い方となる「趣味」の歴史的引継ぎが文学へ現れることなども言ってます。2010/04/28

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