岩波文庫<br> 文学論(上)

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岩波文庫
文学論(上)

  • 著者名:夏目漱石
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • 岩波書店(2015/12発売)
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  • ISBN:9784003600146

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内容説明

1903年苦しいロンドン留学から帰国した漱石は帝大でいよいよ文学を講じる.後の文豪は世界文学といかに出会い自らの文学を築いたか.Fやfの用語など一見難解な外観と厖大な原文は人を圧倒するが,独特の苦渋とユーモア漲る痛快な口調で語られる文学修行の精華.西洋と日本の近代をつなぐ迫力満点の講義録.【亀井俊介注解】

目次

目  次
   序

 第一編 文学的内容の分類
  第一章 文学的内容の形式
   <SPARENB/>F+f<SPARENE/>/心理的説明
  第二章 文学的内容の基本成分
   簡単なる感覚的要素/触覚/温度/味覚/嗅覚/聴覚/視覚/色/形/運動/人類の内部心理作用/恐怖/怒/争闘/同感/Godiva/父子間の同感/Rhodope/意気/Coriolanus/忍耐/Viola/Griselda/両性的本能/Coleridge のLove/Browning のLove among the Ruins/複雑情緒/嫉妬/忠義/Richard II/抽象的観念/超自然的事物/概括的真理/格言
  第三章 文学的内容の分類及びその価値的等級
   感覚F/人事F/超自然F/知識F/審美F/Ruskin の美の本源説/耶蘇教の神/極楽/幽霊/妖婆/変化/人間の感応/超自然Fの文学的効果/人生と文学
 第二編 文学的内容の数量的変化
  第一章 Fの変化
   識別力の発達/事物の増加
  第二章 fの変化
   感情転置法/Pot of Basil/感情拡大法/感情固執法
  第三章 fに伴ふ幻惑
   [作家の材料に対する場合]  聯想の作用にて醜を化して美となす表出法/描き方の妙/Fの奇警/部分的描写/人事Fの両面解釈/Shirley/格言の矛盾[読者の作品に対する場合]  感情の記憶/Mrs. Siddons/自己関係の抽出/Gloster/善悪の抽出/Art for Art 派/非人情/崇高/詩人 Coleridge の火事見物/不徳/道化趣味/Falstaff/純美感/知的分子の除去
  第四章 悲劇に対する場合
   苦痛に対する嗜好/人間の冒険性/自殺組/贅沢家の悲哀
 第三編 文学的内容の特質
   集合意識/言語の能力/Fの差異/文学者のF
  第一章 文学的Fと科学的Fとの比較一汎
   How と Why/態度の差/描写法の差/Ariosto/文学者の解剖/時空の関係/数字
  第二章 文芸上の真と科学上の真
   Millet/誇大法/省略撰択法/組み合せ/文芸上の真の推移
   注  解(亀井俊介)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Gotoran

41
1903年苦難の倫敦留学から帰った漱石が、東京帝大で英文学講師として留学時代に集めた数多の引用、苦渋、およびユーモアを交えて、”根本的に文学とはどのようなのものか”を論じたもの。本書上巻では、漱石文学論の要諦であるところの「F(Focus)+f(feeling)」の理論的基礎を留学時に集めた数多くの実例を交えながら解説していく。漱石文学論を実に興味深く読むことができた。引き続き、下巻へと進んでゆきたい。2023/03/18

ころこ

35
F(認識されるもの)とf(そこから感じられる情緒)という身も蓋も無いものに還元し、文学が人間に与える影響の普遍性を考察しています。脳科学者のように文学の終わりを文学の始まりにおいて宣告しているようにみえます。大きな問題に取り組み結果的に不発に終わった手ごたえの無さは、現在我々には科学と文学のフレームワークが見えるからです。本文では翻訳と日本語の問題、文語と口語の問題が生じています。つまり、ここでも日本語、英語、漢語と特殊なものが扱われ普遍性を追及していますが、混合した文章は更に我々の理解を遠ざけています。2020/12/24

shinano

12
明治の文語だから少し読み辛さはありますし、また漱石先生お得意の漢詩からの略語や禅語など、さすが漱石先生です。たくさんの外国書を読んでいることがわかります。英文学書にとどまらず英訳されている独仏露伊の書なども網羅している。先生のこの書による講義で、心理学と哲学の知識はやはり文学を創造するには必須の様に思いました。文学を創る側にも読む側にも『情緒』が一番大切だということですね、漱石先生。引用英文には英語力がないわたしには閉口でした。すみません、先生。2010/04/21

逆丸カツハ

11
流し読み。博学だ…。2024/03/31

yutaro sata

10
文学論がどうとかいうことよりも、漱石のこの時期の苦しさばかりが伝わってくるという感じがする。

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