内容説明
敗戦後の混乱はますます激しくなり、戦勝した連邦政府の圧政と解放された奴隷の横暴に南部人が苦しむ最中、スカーレットは、妹スエレンの婚約者フランクを横取りして再婚した。夫とともに製材所の経営に乗り出し、意外な商才を発揮するが、秘密結社KKKが結成され、フランクやアシュリも否応なく渦中に引き込まれる。スカーレットの周辺には、にわかに血の匂いが立ちこめ始めた――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ykmmr (^_^)
118
妹の婚約者と略奪婚をし、経営者と拝金主義者としての地位を手に入れ、スカーレットは製鉄所を経営する。その才能と、ポジティブ・男勝りにて成功するが、妊娠までした為、周囲の理解はない。夫やレットのアドバイスにも負けずに我が道を行くが、クランの影が夫を襲う。再び、なすがままに結婚して、子あり未亡人になったスカーレット。レットとは最後、どうなるのか?2021/12/20
Lara
95
妹の婚約者フランクとの結婚には、真に驚かされました。嘘をついてまでして、お金目当ての略奪婚です。そこまでするかスカーレット!そんな中、製材所の経営に乗り出し、経営者として手腕を発揮するが、世間から批判を浴びる。やり方が女性らしくなく、剛腕だからだ。タラの再興と製材所の経営にしか目がいかない、そのためには恥も外聞もなく、行動するのが、男勝りのスカーレット!いよいよ、最終5巻へ!2021/12/04
びす男
87
「もう飢えるのはごめんだ」という一心で、女経営者としてバリバリ働くスカーレット。男も凌ぐ才覚を発揮するが、そのために彼女は孤立を深めていく■2度目の結婚をし事業も軌道に乗せた。だが、渇望しているはずのアシュリとの恋は一進一退で、むしろ爪はじき者、レット・バトラーとの距離が縮まる。「どこの社会でも、ただ一つ許されざる罪があるとしたら、それなんだよ。『わたしたちと違うことをしたら承知しないわよ』とね!」■ひ弱なメラニーの心の強靱さも目立ち始めた。超大作の登場人物たちは、次々と新しい表情を見せてくれる。2018/05/13
優希
81
スカーレットがすっかり人格が変わったようで、怖さすら感じました。経営者としての才能もあるのには驚きです。しかし、秘密結社に投げ込まれるのは何とも言えないところでした。血の匂いと黒人差別の空気が流れ始めたように感じます。あらゆることを自分の倫理観に曲げてしまうスカーレットの最後には何が待ち受けているのでしょう。2019/01/07
ルピナスさん
66
読み進める毎に面白さは倍増。ビジネスに頭の良さを発揮するも、人徳がなくアトランタの嘗ての知人達から総スカンを食うスカーレット。彼女の思い切った行動は自分の軸となるタラに住まう全ての人々の生活を支えるためなのに、他人の目には金の亡者というえげつなさだけが残ってしまう。黒人は愛すべき家族と思う人間のいる南部、奴隷撤廃を叫びながら概念でしかその存在を受け入れられない北部の人間。展開が楽しい一方で、今の世界に重ね合わせながら思考を巡らす読書は、自分だったらと問われているようで胸がキリキリ痛む。最終巻が楽しみだ。2023/11/06




