内容説明
称(しょう)の孫重耳(ちょうじ)は、翼攻めに大功をたてた。雄偉な体躯の心穏やかな公子で、狐氏(こし)から妻を娶り、その一族の厚い庇護を受けていた。称の死後晋の君主となった詭諸(きしょ)は、絶世の美女驪姫(りき)に溺れ、奸計に嵌まって重耳たち公子を殺そうと謀る。逃れ出た重耳と家臣たちの、辛酸の日々。晋の国内は大きく乱れていく。
目次
遷 都
策命の使者
称の死
二人の王
口中の骨
粛 正
驪 姫
陰謀の渦
公子分散
太子の危難
羊神の冠
生と死の境
兄弟の行方
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...
109
一国の君主が、一人の女によってこれほど見事に操られてしまうものなのか。傍から見れば一体何をということも、一途に突き進んでしまう、そこはいつの時代も変わらぬ純粋で悲しい男の性なのかな。お陰で重耳ら三人の跡取り候補は、命を狙われたりと大混乱。中国大陸全土にわたる国を超えたスケールの大きな展開になってきた。いよいよ最終巻へ。2020/07/19
KAZOO
69
日本の時代にもありそうな話ですね。晋の統一がなされたものの主人公の祖父がなくなり父親が、新しい女性に籠絡されて重耳ら三公子の命も危うくなって国を出ていくことになります。まあ主人公の性格ということもあるのでしょうが、またそれが将来の財産となるのでしょうから、とりあえずは逃げ出してかなり苦労をしていくということになります。2015/06/27
糜竺(びじく)
51
引用「すべての欲を満たそうとするな、満ちれば欠けるほかなくなる」「斉の国の栄華は早すぎる。二代で美しい花をつけすぎている。汝は子孫の為に、地味な花となれ。さすれば、豊かな実が成る」「寵臣を作ってしまった君主や主君が不幸であるのは、他の臣下の有益な言葉が届かなくなる事である。自分の息子達がその寵臣になったのであれば一大事である。重耳の人格は、成長がとまってしまう」「汚れのないまっすぐな意思というものは、結局いかなる困難をも突き破ってしまうのだという事を、狐突は齢を重ねて、世故にたけて、かえって実感している」2017/02/02
Book & Travel
49
名君・称は晋を統一し天寿を全うする。優秀な公子に有能で魅力的な家臣たちと、うまく回っているように見えた晋だったが、後を継いだ詭諸は、驪姫の甘言に乗って公子たちを遠ざけ、害していく。父の命がいかに非情で誤ったものであっても、孝の道を貫く申生の姿が悲しい。そしてその申生や重耳を何とか救おうと奔走する家臣達の振る舞いが、この巻では特に印象に残った。中でも狐突の慟哭の場面、士蔿の致仕の場面が胸を打たれる。2500年以上昔のお話で、作者の創作の部分もあるだろうが、人の生き方に感動し色々なことを教えられる傑作である。2017/04/17
しーふぉ
21
40歳くらいまでか?ここから流浪が始まるのか…上巻から中巻読み終わっても重耳はわき役の中でも目立たないくらいの役割。下巻でどこまで書かれるか楽しみ2025/06/22
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