内容説明
それでも人類は、敗北した。 “魔術”と“機工”が両立する世界に突然現れた人類の天敵“異海鬼獣（リヴァイアサン）”。未曾有の脅威を前に“魔術師”と“機工師”は初めて手を組み、文明は一気に加速し――それでも。歴史の歩みはあと一歩、決定的に遅かった。 だから、俺たちはやりなおす。 全てが滅びた絶望の赤い海から、過去へ。 逆行し、遡生し――技術の結晶たる“魔術機工（デハイド）”を手に「あの日」へ向かって。この世界を再び走り抜け、かつて手が届かなかった何もかもへ、もういちど手を伸ばして。 歴史を、運命を、書き変えてみせる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
26
十階堂さんの新作は魔術と機紅が対立し、"異海鬼獣"の手によって崩壊した世界を舞台にした物語。この作者さんは色々と多彩な人やなー。今回は設定、登場人物、物語の展開ともに結構ベタなお話でした。"異海鬼獣"に勝つためには歴史をやり直さなくてはいけないっていうのは面白かったけど、それ以外の部分はそこそこって感じでしょうか。キャラが普通なのが残念ですね。個性的なキャラ出してほしかった。個人的にこういう作品は嫌いじゃないけど、作者さんの良さを生かしたお話の方が読みたかったかなぁ。とりあえず次回作に期待。2015/10/12
Yobata
19
魔術と機工の二勢力が対立する世界は海から突如現れた“異海鬼獣”によって崩壊した。生き残った魔術師のネトと機工師のジャークは大魔導師の魔術によって、世界をやり直すため10年前に遡行する事に…。魔術と機工が手を組まなくては勝てない異海鬼獣を相手にするために、まだ魔術と機工が争ってる年代まで遡行し歴史をやり直す中で、未来のために過去を忠実になぞろうとするネトと、未来のためにいま目の前にある命を見捨てる事に思い悩むジャーク。険悪な二国を取り持ち強敵の退治をやり遂げる覚悟を持って挑む姿勢は立派だけど→2015/10/10
アウル
16
絵師買い。なかなか面白かった。人類と異海鬼獣と呼ばれる生物との戦いに終止符か打たれたが、ほぼ全てが死に絶えてしまった世界。そんななか魔術師ネトと機工師ジャークは魔術により１０年前に戻って崩壊した未来をrewriteしようと頑張っていく話。あとがき読む限り、話が全体的に重くなるかな？と思っていたが読んでみるとそんなに重くなかったな。すでに前とは違う道を進み出した今回の世界はどのような結末になるのか気になる所。2015/10/12
晦夢
10
人類が敗北した世界をやり直すため過去に戻り、人類の敵を倒すべく戦う物語。かつての歴史をなぞり確実に確かな未来を目指すのか、今目の前で死にそうな人を救うのかに迷う。題材的には面白いししっかりしててよかったが、主人公がイマイチ魅力的ではないのがな。女の子は可愛いけど。次巻も楽しみ。2015/10/15
こうづき
8
面白かったけど、そのヘソ推しは何なのｗ 謎の敵を前に滅亡した世界をやり直すため、十年前から「再走」を始めた若者ふたりの物語。「前走」と同じ道を辿るためには知り合った女の子を見殺しにしないといけない、という展開の中で、さあどうする。敵が現れてもいない世界で未来に備えるのは大変そう。続きも楽しみです。2015/12/15
