内容説明
恩田ワールド全開のスペクタクル巨編!
国家権力の及ばぬ〈途鎖国〉。特殊能力を持つ在色者たちがこの地の山深く集うとき、創造と破壊、歓喜と惨劇の幕が切って落とされる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
208
『ウラ、ウチ、ヌキ、イロ、ソク、フチ、タマゲ、カケラ』まったくもって意味不明なこれらの言葉がほとんど何の説明もなく上巻の400ページを駆け抜けるストレスフルな我慢の読書。『葛城は、宙に浮いていた』、まるで常野の人々の如く不思議な能力を持った人々『在色者』、その在色者が入国を禁じられている途鎖国。いきなりの摩訶不思議な展開に不意打ちを食らいます。そう、これは恩田さんのファンタジーの世界。これこそが恩田さんの真骨頂。読者の想像力がめいっぱい試されます。こんな疑問あんな疑問が膨らむ一方の上巻。下巻も楽しみです。2021/08/29
KAZOO
106
恩田さんの作品は、「夜のピクニック」と「蜜蜂と遠雷」しか読んだことがないという気がしているのですが、このようなSF的あるいは幻想的な作品も書かれていたのですね。若干宮部みゆきさんの作品を思い出しました。「途鎖国」という日本から切り離された国が舞台になります。そこに行くにも大変で、この上巻ではある女性が身分を隠して入国していきますがかなり検問などが厳しくそこには、異能者たちがかなりいて、その戦いの火ぶたが切って落とされるような感じでした。2025/07/13
眠る山猫屋
67
予備知識無しでスタート、途鎖は土佐をイメージしてるわけね。日本の中の半独立国のような途鎖。列車で入国する一人の女性のヒリヒリするような体験。情報が極端に抑えられた故の臨場感が凄い。禁断の山で何が待ち受けるのかわからないが、山に向かう主人公たち、殺人鬼、宿敵の入国管理官、それに少年。思いの外強い黒塚さんも山に向かうのかな?今のところ、主人公より周りの皆さんが魅力的。でも大半にフラグ(幡)が立ってみえます。2018/06/18
ばう
61
★★★★日本国内でありながら、その権力の及ばない〈途鎖国〉を舞台に繰り広げられる特殊能力をもつ者達の物語。こういう話を書かせたら恩田さんの右に出る人はいないのでは?いやもう、本当に怖いです。誰が味方なのか、あるいは全て敵なのか?年に一度の闇月に山では何が起こっている?この国に入った実邦の本当の目的は?そしてその恩師が残したメッセージとは何?本当に怖くてたまらないんですが、この先が早く知りたくて下巻へ参ります。後はいつもの恩田さんによくある「へっ?どういう事⁉︎」みたいな終わり方にならない事だけを願って。2020/05/19
佐島楓
61
この独特の不穏な感じ・・・たまらない読者も多いはず。下巻へ。2016/01/26