内容説明
柳橋米沢町、隅田川沿いの船宿・喜仙(きせん)の二階座敷で、看板娘・おいとを相手に、酒を呑んでは居続ける若さま。きりりとした男前だが、名前も身分も一切不肖。その若さまが、天下一品の直感の鋭さで、御用聞き・遠州屋小吉が持ち込む怪事件をたちどころに解決する六編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がたやぴん
54
長編も掲載されており有り難い。五大捕物帳のうち岡っ引きが出ない作品。光文社から三作品目。文字も大きく行間もあるので目に優しいwさて、岡っ引きが活躍する作品は現代の刑事物の雰囲気もあるが、これは探偵物と言える雰囲気がある。2016/04/27
Kouro-hou
13
五大捕物帳では最後発。半七がドイル、佐七がクリスティなら若さまはオルツィで江戸の「隅の老人」。やたら気品があるけど行儀や言葉遣いは悪く、常に船宿の2階で呑んでる鉄の肝臓の正体不明の居候。浪人を通り越して暇人扱いですが、何気に葵の紋所の羽織とか持っていたりします。御用聞きの遠州屋小吉が持ち込む事件の謎を解く安楽椅子侍(現場はよく見に行くが事前調査はしない)です。成り行き上、刀を抜く事はありますが「うっかり抜いちまったが、言っとくけど斬らないから」と一種の不殺。下手人殺したら証拠が無くなるから!とは作者の言。2014/12/04
timeturner
4
タイトルから想像した通りだし、若さまの推理力もシャーロックにはとても及ばず、素人の読者でも見当がつくような謎ばかりなんだけど、講談師か活動写真の弁士のような語り口がユーモラスで勢いがあるので、ついつい読まされてしまう。2020/05/31
Auristela
1
この本を読んでいるときにラジオで、ニジェールにはまだ電気が通っていない村があって云々という話しがしていて、それを聞いたらなんだかより江戸時代の街並みが綺麗に浮かんできた。電気のない風物詩なんてもはや想像の産物でしかないのが悲しい。2016/03/11
Y.Yokota
0
物凄くわかりやすい推理小説の魅力と、神田生まれの作者が描く江戸っ子べらんめえ模様が合わさった痛快捕物帳。若さまの天才的閃きによる推理は凡人にとっては多少許容し難くはあるものの、人物の豪胆さに納得させられてしまうキャラ立ちっぷりが凄い。2013/06/04
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