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内容説明
「大きな政府」がもたらす非効率的な経済ゆえに、もはや破綻したとまでいわれるケインズ主義。しかし、ケインズが自由な市場競争主義を批判したのは、確かな基礎を持たないグローバル経済への危機感からであったと、著者はいう。また、豊かさの中の停滞と退屈が人間を衰弱させるという、今から70年近くも前の彼の「不吉な予言」は、「自立した個人」が「経済の奴隷」と化しつつあるこの世紀末の世界で、きわめてリアリティを帯びつつある。今、われわれがケインズから学べることは何だろうか? アダム・スミス、ケインズという両巨人の思想を読み直し、グローバリズムへの幻想の超克と、新たな社会秩序の可能性を論考する意欲作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
107
アダム・スミスに引き続いてのケインズを論じているというか再評価のような感じです。経済理論を説明するというよりも今のグローバル資本主義に対しての警告とケインズのグローバル化に対する予告をよく考えるべきであるということなのでしょう。ある意味リーマンショックや今の経済状況を予測しているのではないかと思われます。もう少し現在読み直されてもいい本ではないかと思われます。2016/01/22
日の光と暁の藍
4
グローバリズムにおいて、自由な資本移動とナショナル・エコノミーの間には対立が生じる。産業の振興を助けるはずの金融は、いつしか産業を従属させ、自己増殖を始めた。自由な資本移動は、一部の投資家の利益にのみなり、国民の利益には決してならない。海外に流出しようとする資本の流れを政府によって国内に留めることによって、国民の利益を実現しようと唱えたのがケインズである、と著者は述べる。その基盤に確かなものを持たないグローバリズムが、リーマンショックにより自壊し、再びナショナリズムを呼び寄せたのも必然だと思える。2020/12/13
えちぜんや よーた
2
第2章確かなものへの模索-「アニマルスピリットの減衰と不況」 第3章グローバリズムの幻想
青ポス
1
ケインズの解説本。よく理解できなかったので再読したい.
7番線
1
1999年に書かれたものだけれど、今日直面してる問題を招いた原因は同じなのがわかる。土地が労働者と結びつかなくなったことで、人の信頼は貨幣によって支えられ、人間の生は貨幣的なものに依存して不確かな基礎の上に配置されている。グローバリズムがはらむ問題、成熟経済の宿命。ケインズの論文を引用しながら、わかりやすく解説されています。いまもなお必読の書!2012/11/11
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