内容説明
大宰府に流された菅原道真が亡くなって五年後の延喜八年(九〇八年)。志摩の国、賢島に禍々しき巨船が迷い込む。その翌日、八人の男がぼろきれのように惨殺される事件が起きたが、下手人は若い娘であった――。 男から女へ、肉体から肉体へ、まぐあいながら人にとりつき、殺めていく淫鬼。道具の怨鬼まで甦らせた鬼の狙いはなにか。そして、陰陽道に通じる加茂一族は淫鬼に対抗できるのか! 傑作歴史伝奇小説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kagetrasama-aoi(葵・橘)
37
「鬼シリーズ」第五巻。第一巻「鬼」は数人の陰陽師がそれぞれに主人公となって活躍する短篇集。二、三、四巻作は弓削是雄が主人公の話、今巻は「鬼」に登場した加茂忠行が主人公。弓削是雄は早くに野に下って蝦夷の国で暮らしているらしい……。是雄が主人公じゃダメ?と思うほど話の骨子が似てます(//∇//)。まあ、菅原道真関連で時代が合わなくなるのかな?香夜は芙蓉と代わり映えしないし、髑髏鬼は惜しいし…。まあ、泥人形が可愛いから我慢します(笑)!でも、淡麻呂のその後とか知りたかったです。物語は最後が呆気無くて残念でした。2023/07/27
やす
6
再読。安倍晴明の師匠の賀茂忠行が主人公で、香夜との出会いにより、呪術の腕前を上げていき、忠峯とともに鬼を退治した。人に乗り移りながら、最後は帝に乗り移り、国を支配しようとした紅蓮鬼よりも、出世や人を蹴落とそうとする内裏の人間のあさましさの方が、ホラーのような気がした。泥人形は、逆に人間味があった。2015/11/07
Spok
5
とても読みやすかったが鬼達が人間くさくて笑えた。 陰惨な始まりにしては後半からコメディかと思えるやり取りにホラー?とは思ったが面白かった。 2024/01/11
水月
4
「女など出世の妨げ、金で買えばよい」とか言ってたエリート国家公務員のお兄ちゃん、韓国の悪女(病気もち)にうつつをぬかし行方不明そして廃人に。家業を継がず田舎で隠遁していた弟が呼び戻され、祖父の弟に養子にされお兄ちゃんの行方を追うお話。読みやすい文体でさくさく読めて、怖いところの描写もしっかりしている。さすがホラー界の高橋克彦。女をはべらせたエロ公卿が好き勝手やっていて、こいつは死ぬなと思ったらお約束通り死にました、さすが定番をわきまえてる。(続)2015/11/13
ワッピー
4
異国の船に乗ってきた鬼が国を奪うべく、京を目指す。賀茂忠行は伯父の忠峯とその女従者香夜の助けを借りて鬼を追う・・・さっくり楽しめました。ところで、泥人形は「ザンス」シリーズのグランディを連想するのですが、ワッピーの僻目でしょうか?2013/12/14
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