内容説明
忘れたい記憶を消してくれる都市伝説の怪人、記憶屋。大学生の遼一は単なる噂だと思っていたが、ある日突然大切な人の記憶が消えてしまい、記憶屋の正体を探り始める……。切ない青春ノスタルジックホラー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
326
2016年533冊め。忘れてしまいたい記憶を消してくれる存在がいたら、頼みたいことがある人はきっと多い。どんなに辛く悲しいことも自分を形作るひとつだから、という立派なことを言ってくれる人はいるけれど、本当に、忘れることができたらどんなに救われるだろうことを抱えて生きる人はいる。ホラーではないけれど、人の心の動きを追って迫る「怖さ」がある。ホラー小説大賞の「読者賞」というのも頷ける、一定の共感を誘う作品。2016/07/10
mmts(マミタス)
293
ホラー要素はなかったので、むしろホッとしました。ただ、記憶屋の正体を探したりするから、その辺はミステリー?サスペンス?かしら。記憶屋の正体にはビックリしたけど、それ以上に切なさが上回りました。自分自身の一方通行な気持ちではなく、あまりに相手の気持ちを察知して、それで記憶を消すんでしょうね。ところで、さすがに遼一くんは鈍感というか無神経というか、あまり好きになれないキャラクターでした。杏子ちゃんのトラウマに対して、デリカシーに欠けていましたから。弁護士の対応は賢明かと。最初は世にも奇妙な物語かと思いました。2016/06/20
紫綺
216
負の記憶を失くしたい者の、その記憶を消してくれる記憶屋と云う都市伝説を追う遼一。行きつくところに意外な真実が…。私は難病に羅かった当初の記憶が無い。記憶屋なんぞに頼らずとも、人間本来が持つ自己防衛本能が働くのだろう。今でも、辛かった痛かった記憶は薄れようとしている。2015/12/16
おしゃべりメガネ
206
久しぶりにこのテ(ホラー)の作品を読みました。確かにホラーといえばホラーなのかもしれませんが、自分的にはどちらかというとファンタジーに感じました。ライトノベル感覚で、とても読みやすく、ピュアな恋愛モードも絡んでいるので、読書ビギナーの方にもオススメできます。なぜ本作があえてホラーなのかが、正直ピンときていませんが、若者が読むと十分に楽しめると思います。続編も2&3と書かれているので、ハマる方はばっちりハマるタイプの作風ですね。十代や二十代の読者さんが手にとって読み始めると、きっと感動もひとしおでしょうね。2018/03/03
インド
203
「記憶屋」。ささやかれている、記憶を奪う存在と、それを追う人々の物語。彼等は記憶を消すために、記憶を消させないために「記憶屋」を探す。明かされる「記憶屋」の正体、祈り、決意はとても壮絶なもので、ラストはあまりに切なく涙が出そうだった。遼一は大切な存在を(本当の意味で)守り通すことができなかったかもしれないけれど、これからも大切な者の涙を拭える存在であり続けてほしい( ;∀;)。記憶を消すことは、善とか悪とか、そういうことではなくて、ある人との繋がりも消してしまう、とても寂しくて辛いことだ。2017/07/26




