内容説明
ドイツに入った特殊部隊「モニュメンツ・メン」。彼らはいかにして文化財を保護し救ったのか? 人類の偉業を守るため、命を懸けた戦士たちの軌跡を描いた手に汗握る歴史ノンフィクション、ここに完結!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
176
ヒトラー自殺、ベルリン陥落、モニュメンツメンにも戦死者が…。戦争は終わっても彼らの仕事は終わらない。350名まで膨れ上がるモニュメンツメン。大活躍のわりに歴史に強く記憶されていない不思議。広告塔となる指導者がいなかったからだという。彼らによって救われた美術品の多くは現在美術館に展示されている。当の美術館のスタッフでも、美術品を救った男たちの逸話を知るものは少ないという。事実列挙でまとまりがないので、ちょっと読みにくいね。2020/07/17
たぬきオヤジ
20
ナチスが財宝をドイツ国外に隠したという設定の小説は多いが、これを読むとそういう設定には無理があると判る。ヒトラーはドイツが負けるという前提の一切の行為を裏切りとみなし、なりふり構わず無茶な作戦を押し付けていた。負けた後のことを考えましょう等とは言い出せる状況ではなかったらしい。2020/08/04
佐倉
8
イラク戦争によって多くの価値ある書物が散逸したことについて文中に言及があった。WW2中に行われたことが後の世では行われなかった、と著者は非難する。これについてはモニュメントメンが活躍したのが欧州であり、彼らがヨーロッパ美術の専門家だから可能だった、という面があるのではないか。メンバーのポウジーが朝鮮戦争でもモニュメントメンとして志願したが該当部署が無かったので断られた、という点もそれを補強していると思う。共有していない文化を守ることは難しい。MFAAと同じ事を求めるのは酷だと思うがいずれは、と願いたい。2023/07/07
おとん707
8
結果的に多くの文化遺産が生還した。モニュメンツ・メンの活躍に敬服するが、それもアイゼンハワーのような指導者がいたからこそだろう。一方で失われたものも甚大だ。「モニュメンツ・メンの遺産を無視するすべての国は、危険を冒すことになる。」残念ながらこの教訓は2003年のイラク戦争では生かされなかった。改めて戦争の愚かさを感じる。この本が訴えることは素晴らしいのだが、文学作品としての完成度は今一つだと思う。また翻訳も直訳調で日常使わないような単語も散見されて洗練されているとは言い難い。比較的新しい訳なのに残念だ。2020/09/22
スプリント
6
モニュメンツメンの活躍と崩壊していくナチスとの対比が印象的でした。しかし読みづらい翻訳文でした。2016/01/24
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