内容説明
心に傷を抱えた大学生の春近は、眠れない二月三日の深夜、公園に散歩に出る。「二月三日は、『不眠の日』です」。彼に話しかけたのは、もふもふの白い毛並みのサモエド犬を連れた、人妻のひまりさんだった。彼女とともに、晴追町に起こる不思議な事件を解き明かすうち、春近はどんどんひまりさんに惹かれていき……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
74
これまで恋してきたのはいつも人妻だった大学生春近が、眠れなくて出かけた深夜の公園で白い毛並みのサモエド犬・有海さんを連れた人妻ひまりさんと出会う物語。旦那の有海さんを見かけたことはないけれど、そんな彼だけを想って飼い犬の有海さんと強く優しく生きているひまりさん。彼女との恋にはなかなか希望が見えてきませんが、歳上にしか恋愛感情を抱けない巴崎や先輩天馬と彼女の夜理子さん、強面園長小鳥遊といった晴追町の個性的な人たちとの、不器用だけれど心温まる優しいやりとりがとても良かったです。是非続編を期待したい作品ですね。2015/10/20
まりも
62
人妻にしか恋をしたことがない大学生・春近が、人妻のひまりさんと飼い犬・有海さんと出会うことで始まる物語。お相手は人妻という事で、ドロドロした感じなのかとビクビクしながら読み始めた訳ですが、ちょっと切なくて心が温まる良いお話でした。人ぬくもりのある交流だけじゃなく、ワンコ成分も豊富っていうのが良いですね。春近が少しずつ成長していく姿を感じれたのもグッド。何かふわっとした感じはしましたが、それも含めて野村先生らしい素敵な作品だったと思う。次巻があるなら、期待したいですね。2015/10/30
佐島楓
56
雰囲気が良い。まじめにずっこけているというか、登場人物が皆、真摯に生きているのにどこかずれており、そこがまた自然であるところに面白さを感じた。最後の季節になるまで、読んでみようと思う。2015/12/26
まんがジジィ
53
面白かったです。 続きが気になる、登場人物が見たい。 巴崎笑麻ちゃんが琴吹ななせちゃん(文学少女)とダブってしまう。(自分だけかな)2016/01/04
Yobata
53
恋心を抱いた女性は常に人妻だった木村春近は、晴追町に一人暮らしを始めるも不眠が続き、夜中公園へ行くと有海さんという犬と散歩していたひまりさんと出会う。触れ合ううちに惹かれていくも彼女も人妻で…。野村美月さんの新作。大学生が夫の名前をつけた犬と暮らしてる人妻に恋するって「めぞん一刻」だなwそんなひまりさんに恋しちゃった春近だけど、ひまりさんの想い人は有海さんだけという…やはりなんとも切ないね。春近にとっては今傍にいるのは有海さんであって有海さんではない…けれどもひまりさんにとっては同じ有海さんなんだよね。→2015/10/20