内容説明
歴史は、偶然と必然のからみ合い。無理やり“法則”を見出すのではなく、とにかく“事実”を追究するべし――。そんな著者の歴史観のもと、古代から幕末までを一気呵成に論じる。「古代のことを“なぜ”と問うな」「聖徳太子のどこが凄い?」「烏帽子はいつから消えたのか」「信長が将軍にならなかった理由」「徳川時代は“大いなる停滞”」「攘夷思想=現代の排外主義」……。何度学んでも楽しい、日本史再入門にはうってつけの一冊!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふみあき
58
同じ新潮新書の『日本人のための世界史入門』と比べると、あまりおもしろくなかった。と言うか、そもそも私が日本史に疎いのが悪いのだが、少ない紙幅にしては情報量過多で、一応は読み通したものの、全然頭に入ってこなかった。でも「俺の日本史」なんだから仕方がない。2024/06/09
永野芽郁と田中圭を足して2で割った寺
42
小谷野敦による古代〜幕末の日本史。小谷野ファンで日本史好きな私は、この本が出るのを知った時は嬉し過ぎて参った。勿体ないので少しずつ読むつもりであったが、結局夢中で読んでしまった。面白い。私も少年期『まんが日本の歴史』を繰り返し読んでいた(カゴ直利ではなく小学館のあおむら純のものだが)。本書を読んでいるとその漫画に出て来た人物達が次々に思い出され、すっかり忘れていた古代史や中世を思い出してきた。人物への寸評も楽しい。あとがきが無くて淋しいが、いつか是非とも『俺の日本近現代史』を書いてほしいと思う。2015/04/19
佐島楓
41
日本史の通史をまともにやっていらして、面白かったけれど、口(筆)の悪さにはひやひや。それ以外の意味でも刺激的な読書だった。2015/08/02
ヨーイチ
30
なんか著者と新潮社の企みにどっぷり嵌っている(笑)。日本史の方が当然馴染み深い分だけ、著者の異彩が際立つ。計算の内だろうけど。日本史を講ずる先生が少年時代に愛読した学習漫画と大河ドラマの面白さを語るって、やっぱり変だよなあ。「歴史の理解は適当でいい素人の小生」にとって役立つのが、衛門とか兵衛が律令制度の官名が後の侍の名前になったとかの基礎知識と脈絡無く推薦される小説を含めた時代読み物か。文章の端々に「俺はこんな事も知っているのだぞ」って云うヒケラカシ感が有るような気がする。やっぱり屈折の人。2016/03/15
ちさと
29
前作で「お前は何様だっ」と酷評されて決めた今回のタイトル「俺(様)の日本史」。歴史の「なぜ」は確固たる答えがないことも多く、比較的言いたい放題という視点から、歴史家が資料を付き合わせて築いてきた歴史に沿う形で、俺様筆者が寝そべって物申す。平家物語の諸行無常は「平家可哀想…」が主題になっているけれど、“あの連中に同情する謂れはなく「勧善懲悪」がぴったり”は的を得ていて笑ってしまいました。2018/10/28