内容説明
企業と癒着する上司、不透明な融資、無慈悲な貸し剥がし。大栄銀行に勤める竹内は腐敗していく組織に嫌気を感じていた。そんな折、出世頭だった同期が自殺する。役員はその死に対し「君たちはコスト」だと言い放った。目前に迫る財閥行との合併を前に、プライドをかけた戦いが始まる。リアル銀行小説の原点。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Walhalla
28
江上剛さんお得意の銀行小説です。 著者の作品はこれまでに何冊か読みましたが、都市銀行の元幹部という経歴の持ち主とあって、作品にも迫力がありますね。また、これがデビュー作だったそうですが、それを感じさせないくらい、面白かったです。 「金融システムが社会的インフラとして存在している」という言葉がとても印象的でしたが、銀行の内部はと言うと、本当にこんななのでしょうか・・・。2017/09/04
りちゃ
5
今読むには、かなり古さを感じてしまう。まさにリアル銀行小説の原点、なのであろう。今はこの手のテーマの作品は多々あるので新しさは感じないが、いつの時代も「正義は勝つ」この単純さは気持ちがいい。2016/11/15
サンジェルマン伯爵
1
読みやすく勉強になった!銀行の知識が薄く理解が難しいところがあったが、銀行に勤めている人が読んだら楽しめそう。2023/09/27
myvi
1
古本屋。やはり銀行が舞台の話は面白くて2日で読んでしまった。後半はややご都合主義的な部分もあったけれど、エンタメ的にはとても面白かった。一点、猫がかわいそう2023/08/30
Masaki Sato
1
舞台は2000年頃バブル崩壊から不良債権処理や大物フィクサーとの癒着を清算できないまま形だけの合併に突き進む銀行。シンプルな勧善懲悪で読後感はスッキリ。過去の総括をしてこそ未来を語る資格がある、未来を語るためには過去を総括する勇気が必要というメッセージは響いた。2022/09/24