内容説明
“およそ信じがたい異様な体験をした。それにつきご相談申しあげたし”――退屈に苦しむ名探偵ホームズに持ちこまれた、怪奇な雰囲気が横溢する事件「〈ウィステリア荘〉」。大英帝国の命運がホームズの推理にゆだねられる「ブルース=パーティントン設計書」。ワトスンが目にした、ベッドに横たわるホームズの衝撃的な姿「瀕死の探偵」。そしてシリーズの異色作の表題作のほか、全8編を収録する短編集。登場から一世紀以上がたったいまでもなお、さまざまなかたちで映像化されるなど、世界じゅうの人々を魅了する名探偵の事件簿。/収録作=「〈ウィステリア荘〉」「ボール箱」「赤い輪」「ブルース=パーティントン設計書」「瀕死の探偵」「レイディー・フランシス・カーファクスの失踪」「悪魔の足」「シャーロック・ホームズ最後の挨拶 ──ホームズ物語の終章」「解題=戸川安宣」「解説=日暮雅通」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
stobe1904
25
【シャーロック・ホームズ短編集】4作目の短編集で、全7篇の短編から構成されている。初期の作品のようなアクロバティックな奇想はなくなったが、それでも抜群に面白い短編ばかりで期待に十分応え、魅了してくれた。最後の『シャーロック・ホームズの事件簿』はゆっくり、じっくり味わいたい。★★★★☆2023/12/19
まえぞう
24
これくらいの短編集だと丁度昼休みに読むのに最適ですね。トリックもいまのものほどいりくんでいないので、読みやすいです。2022/08/26
LUNE MER
21
短編集という意味ではこのあとも「事件簿」があるのだけど、自分の中ではこの第四短編集でカーテンコール。変装というより迫真の演技でワトソンすら欺く「瀕死の探偵」、「ホームズの部屋まで出張れるエネルギーあるならお前が解決しろよ、マイクロフト兄さん!」と叫びたくなる「ブルース・パーティントン設計書」など、これまでの短編とは少し味わいの異なる逸品もあり。「事件簿」のころの作品はドイルが当時没頭していたオカルト等の活動資金を得るためにホームズの名にすがった一面もあるらしく、複雑な気分。2021/12/05
tokko
17
少しずつ読み進めていたら、ほかにも読みたい本が出てきて…。読み終わるまでに随分かかってしまった。さてさて、いよいよ次は第五短編集『シャーロック・ホームズの事件簿』、先にドラマの再放送で観たものもあるけれど楽しみ〜♪2014/10/12
みやび
14
濃かった。どれも面白かった。シリーズ中1番好きかも。ホームズが瀕死になっても犯人をおびき寄せたい話や、毒物の実験でワトソンと2人やばかったシーンとか面白かった。これが最後の巻だと思って読んでいたので、2人がテラスで語り合うシーンはとても寂しくてしんみりしましたが、あと一冊あると知ってワクワクしてます。2024/11/04