内容説明
14世紀のイングランド、キングズブリッジ。騎士の息子でありながら建築職人となったマーティンは、老朽化した伝説の大聖堂を復旧し、イングランドでいちばん高い塔の建設を決意するが……幾多の人々が織り成す波乱万丈、壮大な物語。全米ベストセラー第1位。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
48
とにかく、人の名前と関係が入ってこない。慣れた頃に上巻読了。「大聖堂」の流れ上にあるとはいえ、独立した面白さを見せているとも言える。前作にあった人の対立図式が似通っており、ヒール役ゴドウィン・ラルフ、グウェンダ・カリスらが見せる中世の愛、欲望、金欲、権力欲など等ごった煮風。大聖堂を作りあげる!だったテーマが今回は・・まだ、見えてこない。出来上がったキングスブリッジに群れる修道僧の生臭さが見え見え、そして新たに登場した女子修道院がどんな展開を見せるか楽しみ。目を反らさせないのはグウェンダ。逞しく美しい☆2017/04/26
スター
47
「大聖堂」の続編だが、12世紀が舞台だった前作と違い、物語は14世紀に移っている。なので同じ人物は出てこないが、前作に登場するキャラクターの子孫は出てくる。 前作同様この作品も良かった。やはり登場人物に様々な危難が襲いかかり、それをいかにして乗り越えてゆくかが見どころです。2020/06/28
翔亀
37
【コロナ24-1】12世紀英国の大聖堂の建築を軸に、修道士と領主(騎士)と農民の波乱万丈の生きざまを描き切った「大聖堂」の続編。同じ架空の街キングズブリッジを舞台に200年下る。14世紀、そう黒死病の時代だ。前作では清新で革新的な主役として物語を前へと引っ張っていた修道院長は、時代の変化だろうか今回は旧守的だ。騎士たちは相変わらず政争に明け暮れる。代わって、主役を張るのは、どうも女性陣の気配。全体の1/3を過ぎても、子ども時代と青年時代がじっくりと描かれるが、医師志望の羊毛商人の娘と、土地を持たない↓2020/06/24
kinnov
28
熱狂をもって称賛された傑作の続編には、越えなければならない大きな壁がある。大聖堂建立を舞台として、中世英国に暮らす人々の聖邪、欲望と希望、暴力と愛を描ききった前作をどう越えるのか。続編の宿命を越えるために選ばれたのは150年後のキングズブリッジだった。壮健な建物を作り上げると言う分かりやすい目的がなくなったため、新しい骨格の見えてこない序盤こそ戸惑うが、修道院が理想から遠い世俗の塊になりそれに抗う人々の姿が生き生きと描かれ呼吸を感じられるようになる中盤以降は、新たな興奮に頁を捲る手が止められなくなった。2018/02/18
松本直哉
20
重傷を負った騎士が修道院に担ぎ込まれる出だしの場面から何か不吉な予兆がする。百年戦争とペストの前夜の大聖堂の街の人々の群像の中でも、ギルドの徒弟制度からはみ出して創意工夫で橋をかけるマーティン、その恋人だが結婚という枷を嫌うカリスを中心に、修道院の派閥争い、修道院と伯爵の勢力争い、娘の身売りを余儀なくされる貧困層の農民などの人間模様。財政難も貴人の負傷も神の摂理に頼る聖職者に逆らって、街の経済復興を企てる市民たち、また床屋兼外科医と蔑まれながらも鮮やかに傷の手当てをする男など、頭を手を使う人々が際立つ。2026/03/04




