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内容説明
日本を代表する文化“マンガ”の裏面にあって、決して日の目を見ることのないエロマンガ。「性的」であることを唯一のルールとして、世間の良識を逸脱した創造力と欲望が数多くの名作・怪作を生み出し、一般のマンガにも多大な影響を与えている。いつの時代も嫌悪と蔑視の対象であった“不可視の王国”に真正面から取り組んだ唯一無二の漫画評論、増補決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
82
2006年元版の単行本を2015年の文庫化で増補したもの。何度か中断したが読了。漫画全体の歴史と、1ジャンルであるエロ漫画の考察。文化的遺伝子ミーム仮説を援用し、サブカルチャーからの影響も考慮しつつ、ロリコン、SM、巨乳などの要素をまとめていく。BLやショタ、ネトラレなどにも言及。例として出されている漫画家の名で初めて見たものが多数あった。個人的にエロ漫画はよく見るほうなのだが、新陳代謝が激しいジャンルなのだとわかる。「性なきポルノグラフィ」で『苺ましまろ』がでてきて驚く。そういやそうかと。労作。2020/03/11
kei-zu
26
手塚治虫のミームは、いかに拡大したか。 本書は事例を多く取り上げ、系統を分析する。驚くことに、それはなおも進化の過程にある。 自販機本の隆盛とサブカル分野の充実、吾妻ひでおをはじめとした「ロリコン漫画」(カッコ付きであることに要留意)の流行は、当時を知るものとして懐かしい。 ただ、ニーズに応じた性癖の分化に論が展開すると、延々と続く様々な傾向の記述(中には、個人的に嫌悪感を持たざるを得ないものがある)を読み進めるのがつらかったです。2021/06/03
ヨッフム
26
手塚治虫の兆候的なエロスから辿り、ロリータ、陵辱、純愛、SM、男の娘から寝取られモノまで、雑多な性癖を遍くカバーした、現代に至るまでのエロ漫画の歴史を分析していく。性癖の戦後史とも呼べる、骨太な評論でした。とりわけ、ジェンダーを混乱させたフェティッシュについての洞察は鋭く(自己投影の対象の混乱)、自分の狭いエロティシズム観が揺らぐような体験でした。自分の性癖が相対化して語られる不思議。本能を変態させ、快楽を追求し、ここまで奇妙な性の迷路を作り上げてしまった人間の精神というものの、不思議を感じました。2014/11/16
サイバーパンツ
24
マンガ論は腐るほど出ているというのに、セクシュアリティの結晶であるエロマンガは、オタクにさえ、内心、汚らわしい・低俗なものとして扱われ、論じるに値しないとされてきた。そんな状況の中でついにエロマンガを論じた本書は、たいへん貴重な一冊といえる。エロマンガの歴史はロリコンブーム辺りから、ぼんやりとしか知らないので、劇画やコアな作家まで知ることができたのはかなりの収穫。また読みたいエロマンガが増えたな・・・・・・。資料的価値が高く、一家に一冊は欲しい良書。2016/08/09
いりあ
17
漫画評論家 永山薫が2006年に発表した「エロマンガ・スタディーズ」の文庫版。オリジナル発表後の状況も追加。エロマンガが内包するミーム等を手がかりに手塚治虫から昨今の美少女コミック、萌えコミックまで当時の風俗や一般コミックと絡めながら作家や歴史を考察します。日本海溝よりも深いと思われるエロマンガの割れ目に果敢に挑んで生還した作者がもたらす凄まじい情報量に脱帽です。アレやコレが足りないという向きもありますが、あくまで男性向けのエロマンガをテーマに絞っており教養として知っておくと人生が豊かになると思いました。2018/04/12
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