内容説明
さらわれた皇女と謎多き皇子の平安恋絵巻!
男女の双子の皇女として生まれた純子(いとこ)は、三歳のとき何者かにさらわれ宇治川に小舟で独り流されたものの、川辺を通りかかった老夫婦に保護され育てられた。
十二年後、素性が判明して都に戻されたが、すっかり庶民の娘に育っていることに周囲は驚き慌て、やがて失望する。
そんなとき、偏屈だが書や楽器の名手として知られている兵部卿宮の理登(あやなり)が純子の教育係としてやってくる。無愛想だが教え方が上手く、周囲の女房らのように焦らせることもない理登に、純子は次第に心ひかれていく。
理登もまた、純粋で生気溢れる純子を愛しく思うようになった。
しかし純子の生母・弘徽殿の女御は理登が近づきすぎることを警戒し、二人は会うことを禁じられてしまう。純子が日増しに元気を失っていくことを伝え聞いた理登は一計を案じ・・・!?
さらわれた皇女が宮中に戻ってきた時、眠っていた過去の事件と、秘めやかな恋が動き出す!
田舎娘として育てられた皇女の美しい成長と恋を描く平安恋絵巻!
※この作品は底本と同じクオリティのイラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
53
川に流された舟の中で見つかった高貴な雰囲気の赤ん坊を大事に育てたお爺さんとお婆さん、二人がなくなった後で子供は皇女だと分かる、という典型的なお伽話っぽい設定が好きだ。田舎育ちのために宮中の作法に疎いヒロイン・純子の指導係として帝の依頼で兵部卿宮・理登(あやなり)が登場する。この理登のキャラがいい(名前の読み方は難しいが…)貴族社会としては異端だけれどまっすぐな二人がすっきり結びつくという話だけれど、誰が純子をさらったのかという点は謎が残ったままで2巻目に続く。2021/07/19
ダージリン
38
ヒロインの純子がいじらしくて可愛い~!堅物の理登がくらっとくるのもわかります(笑)。2015/09/12
ぐっち
32
平民として育った今上帝の一の姫と、宮様の恋物語。純子と書いて「いとこ」、理登と書いて「あやなり」の2人の名前の読み方が覚えにくいのですが、素直なラブストーリーでいいですね。あきさんのイラストが今回も美しいし!まだ謎も解決してないし、続き期待してます。2015/08/29
絳楸蘭
28
辛い境遇にありながらも、深山さんのこのまったりして、ほのぼのした感じが好き!想いあっている二人がラブラブならそれでいい。これからが山場たくさんありそうだけど、この二人なら大丈夫って思える。続きが楽しみ♪2015/09/05
葵@晴読雨読
26
一気読み!久しぶりに深山さんの平安物でした。続きが気になる終わり方です。2015/09/13