内容説明
太平洋戦争終戦前夜に大学に入学、学徒出陣を経て、戦後の七〇年間を通じ著者は近代史に民衆史という分野を開拓してきた。敗戦、神武景気、冷戦、安保闘争、高度経済成長、バブルの崩壊、二度の震災、国際テロと波乱の21世紀。その渦中をどう生きたか。著者が掲げてきた「自分史」という方法論の集大成として、歴史家の眼で戦後を総括する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
乱読家 護る会支持!
2
天皇制反対、9条件護憲の左派で市民運動をしてこられた戦中派の色川センセが振り返る戦後70年史。基本的にアメリカ追従の70年間で、節目節目(日米安保、自衛隊員派遣など)での色川センセの怒りが爆発されています。左派の方の価値観として、、、権力者は国家の名の下に、国民より富を搾取し、国民を戦場に送り出すという戦中で培われた経験に基づく価値観があるようです。2016/01/03
kungyangyi
0
自分史と現代史が併走する形で叙述されている。/戦中と戦後すぐの時代の話(地方の教員になるなど)は、今と全く違う時代だったと感じられ、面白かった。/後半になると、自分が知っていることも多くなった反面、驚きは少なくなった。/気骨ある左翼論者といった文体だけど、同時に、右翼にも左翼にも共通する昭和オヤジてきな雰囲気を文章から感じた。/よい本です。2021/09/16