ハヤカワ文庫NF<br> ムハマド・ユヌス自伝(上)

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ハヤカワ文庫NF
ムハマド・ユヌス自伝(上)

  • ISBN:9784150504441

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内容説明

貧しい人に無担保で少額のお金を貸し、それを元手に事業を始めさせ、経済的に自立するよう支援する――バングラデシュで始まった「マイクロクレジット」は、世界中の貧困撲滅に大きく貢献した。次世代のビジネスモデルとして、ユニクロなどの大手企業からも注目を集めている。この画期的な手法を発案し、ノーベル平和賞を受賞したユヌスとは、どのような人物なのか? 社会を変えるために闘った男が自ら語る、真実の物語

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さすらいの雑魚

35
最貧国バングラデシュで男尊女卑の伝統下で虐げられ苦しむ貧困層の女性に少額無担保ローンを提供するグラミン銀行を創設し驚異の返済率98%を誇る大銀行に育てた天才の自伝。「元手を借り、小商売を成立させ返済し、信用を得て事業を拡大、資金調達へ」このサイクルを無能扱いされてる女性自身の力で回す。自力で社会に働きかけ生活の糧を得る事で千年踏み潰された魂を再生し自信と誇りの火を灯す。ただ貸すでなく徹底的に寄り添い仕組み作りに叱咤激励にと悪戦苦闘する現代の聖者の独白録。しょぼい富裕層の軽い自己啓発書よりかなり高カロリーね2021/07/20

人間

10
ユヌス教授は、はじめから利用者の女性たちに「自活する能力も意志もある」と見抜いていた。何もできない人たちなんかではない。ただそのような境遇に置かれているだけ。通常の銀行は富裕層しか借りられない。そして顧客を信用していないから法律でがんじがらめの契約にする。グラミン銀行は逆で、契約書がない。「私たちの成功は不良貸付額や返済率で測られるものではなく、惨めで困難を抱えた借り手たちの生活がどれくらい改善され、楽になったかと言うことで測るべきものである」と銀行の逆を行く。世界銀行の融資を拒否した経緯は重要な指摘。2020/05/26

Francis

10
最初単行本を買ったのだが、積読状態のままになって捨ててしまい、今回文庫化されたのを機に買いなおして読んでみた。若い時に起業し、留学先のアメリカで祖国バングラデシュの独立運動に取り組み、帰国後チッタゴン大学の経済学部長に就任するも農村の貧しい女性の実態に衝撃を受けて彼女たちを自立させるためにグラミン銀行を創設したユヌス教授の情熱は本当にすごいと思う。ノーベル平和賞を受賞しているが、本当は経済学賞を授与してほしかった。この本の唯一の難点は時系列通りに書かれていないこと。何か意図があるのだろうか。2016/03/08

isao_key

8
最貧国の一つであるバングラデシュの中でも、とりわけ主婦の地位は低く、一日中働いて、その日やっと食べてゆけるほどの賃金しか得られない。著者ユヌス博士は、アメリカで経済学博士を取得した後、祖国の独立の支援活動をする。チッタゴン大学経済学部長に就任してからも、机上の学問では貧困者を救えないことに気づき、プロジェクトを立ち上げる。既存の銀行とは真逆の無担保で読み書きすらできな女性を対象とした少額の融資をするグラミン(田舎の、村の意味)銀行を作った。博士の行動によって多くの貧困女性に自信を与え、自尊心を植え付けた。2017/06/26

daidainngo

8
興味深い。バングラデシュの貧困に立ち向かう姿には尊敬する。世界銀行などのコンサルタントが貧しい国を訪問するお金を貧困に苦しむ人々に与えたほうが為になるのは納得できた。経済学の理論は現実で役に立たなければ意味がないという主張は的を得ている。人類のあらゆる努力を汚し、侮辱する貧困は無くさなければならないと思った。2017/04/13

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