内容説明
栃木県那須・賽(さい)の河原――妖狐伝説の地で奇怪な溺死体(?)が発見された。被害者は、新興商事の会長・草下部泰造。草下部の姪・城所美和子の狐狗狸(こくり)占いが告げた犯人の名は、金毛九尾(きんもうきゅうび)の化身・玉藻の前だった。名探偵・滝連太郎は、美和子からの依頼をうけ、独自の捜査を開始。やがて第2の殺人が!? 神戸―東京―那須を結ぶ鉄壁のアリバイ・トリックを駆使!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
62
下野那須、賽の河原で会社社長の死体が発見される。その背後にべったりとへばり付く妖狐伝説。という事で九尾の狐を下敷きにしたミステリなのだが、自分が読んだちょっと後に殺生石が割れているのが発見された…なんというシンクロニシティ。で肝心の内容なのだが、これは無理に九尾の狐と結びつける必要はなかったのではないか。最近のミステリにも妖怪怪異と事件が結びついたものは多いけど、その優れたものはあくまで怪異の影が事件全体を覆う形になっていて、事件中にあからさまにギミック仕込むものじゃないと思うけど。ダイレクトすぎるなあ。2022/03/01
はんく
1
今ではほとんど見掛けない伝奇ミステリ(近年では故内田康夫が書いていた程度か)。書き手がいない=作品がない故に読む機会もないだけに横溝(獄門島、悪魔の手毬唄、八つ墓村、犬神家の一族)なんかもそうだがかえって新鮮に感じることが出来た。祟りとか呪いを伝説に絡めた中で殺人が起きる。それが人智を越えたモノ(本書の場合は妖狐が変化転生したと言われる玉藻の前の呪い)の仕業にしか思えないというのは古めかしいからこそ今読むと面白い。本格ミステリとしての骨格も存外しっかりしていてトリックこそ既視感あれど興味深く最後まで読めた2026/08/20




