内容説明
満州国を舞台に、そこに生きた日本人家族の戦後を知る物語。戦争とはかくも人を翻弄していくものか………
1932年(昭和7年)大日本帝国によってつくられた傀儡国家「満州国」の首都「新京」。白川妙子は国策映画会社、満州映画協会(満映)に勤務する夫、白川真之介とともに三人の子供を育て「未来に向かって開かれた」この街で6年10カ月を過ごす。。真之介の甥、野津修は「満州国」の最高学府建国大学(建大)に入学。「五族協和・王道楽土」という理念とは乖離した「満州国」の現実を目撃する。1945年(昭和20年)8月ソ連軍の侵攻とともに「新京」は消えた街となっていく。『こころ』(平凡社)第一回晩成文学賞の最終候補作。
【著者】
田中文夫
1952年 香川県坂出市生まれ。1974年 電通関西支社入社。クリエーティブセクションで広告制作に携わる。2010年 電通を早期退職。田中文脈研究所コンテキスター、フミメイとなる。2013年 半農半X研究所主任研究員として動き始める。
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目次
新京・満映
白川妙子の王道楽土
満映・甘粕正彦
建国大学開校
新京の日々
野津修の進路
満映と建大
白川真之介出征
脱出・肉弾
昭和二〇年八月十五日
消えた街
鎮南浦からの手紙
藤田松二の教え
啓農映画
五等国
白川真之介・大連
永久の未完成
三十八度線
朋友
活動屋・北上
白いおにぎり
現在進行形
『消えた街』電子版のための長いあとがき
家族と満州の文脈が交錯する
盟友の満州文脈と出会う
そして「第一回晩成文学賞」
『消えた街』から見えてきたもの
奥付
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- 電子書籍
- なかよし 2023年2月号 [2022…