内容説明
鬱病で寝込むこと十年、ようやく元気になったのはよかったが、いきおいあまって、人生最後の躁病を発症してしまったマンボウ氏。老いてなお盛んな躁病に、ギャンブル三昧の旅が始まった。「猛獣使い」の女性編集者、スーパー元気な娘を相棒に、上山競馬場、大井競馬場、平和島競艇とバクチ熱は急上昇、果ては韓国のカジノまで遠征することに。狂乱バブルのギャンブル紀行エッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiro
38
読メで北杜夫さんが亡くなられたことを知りました。10代のころ推理小説しか読まなかった私が、北さんの「楡家の人びと」や「どくとるマンボウ」シリーズで小説、エッセイの面白さを知りました。声を上げて笑うようなものは程度が低いというのは誤りだとこの本にも書かれていますが、私は思わず声に出して笑ってしまうユーモアある北さんのエッセイが大好きでした。この本を読み始め、最初は懐かしく読んでいましたが、ページが少なくなるにしたがって、これで北さんともお別れかと思うと今まで経験したことがないさびしい気持ちで読み終えました。2011/10/31
クプクプ
27
私はギャンブルをやらないので詳しくはわかりませんが、北杜夫がギャンブルについて専門的に勢いをもって書いていたところが沢木耕太郎の「深夜特急」を思わせて楽しかったです。また清純派作家というイメージを壊したいために性に目覚めて若い女性にモテようとしたのは笑えました。その他、交友のあった人物を書いたエッセーの描写力は見事でした。体力が衰えながら、エネルギーをもって文章を書いた点では、夏目漱石の晩年のエッセー「思い出す事など」「硝子戸の中」を連想しました。北杜夫の晩年のエッセーの中では最高傑作ではないでしょうか。2017/10/05
マーム
19
「マンボウ」の名を冠しているので、またハチャメチャな内容かなと思いましたが、躁状態で臨んだバクチに関する一騒動を除いては、父斎藤茂吉のことや北氏のかつての担当編集者だった宮脇俊三に関する思い出などを語っている部分など興味深かった。『幽霊』『木霊』と続く自伝的シリーズは第4部まで執筆するつもりだったと打ち明けていますが、何とか存命のうちに書いていただけないかと思ってしまいました。無理を承知で。でも、80歳を超え、あちこちがたがきても、こうして執筆活動を続けてくれることはファンとしてはうれしいところです。2011/10/13
カタコッタ
14
全くギャンブルに興味無しの私。しかしなんと言っても北杜夫のおおらかな独特のユーモア、楽しめました。2019/08/29
はなん
13
マンボウ節に新年から圧倒されて、魅了されて。元気をいただきました。鬼籍に入られてしまったことが信じられない…。まだまだこのハチャメチャな世界に浸っていたいです。この本の各所にでてくる猛獣使いさま。最近朝のニッポン放送に登場されていてすご~~~っく、妙に親しみを感じました(笑)2012/01/05
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