内容説明
肥前佐賀藩の小吏の家に生まれた江藤新平。子供の頃から一種の狂気を持った人物だった。慶応3年、大政奉還を知るや「乱世こそ自分の待ちのぞんでいたときである」と、藩の国政への参画と自分の栄達をかけて、藩の外交を担い、京へのぼった。そして、卓抜な論理と事務能力で頭角を現していった。が……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
124
かなり以前に読んだが、途中で投げ出した作品。司馬作品でも難しいと思う。いや、好みが分かれると言おうか・・そこで今回気持ちを引き締めて上巻を読んだ。歴史上、時代の過渡期に生きた人物・江藤新平。難しいけれど、感想は下巻で。時間はかかる・・2017/10/04
さつき
84
『翔ぶが如く』を読んでから、江藤新平を主役にした本作も読みたいと思っていました。薩摩や長州、会津など、どの藩の人物を主役にするかによって、幕末維新の描き方はずいぶん違います。佐賀人を主役に置くと、どんな物語になるか興味津々です。上巻だけの印象だと、佐賀人が薩摩のようにがっちりした郷党を組まないのは、その中心となるべき江藤の出自、性格にも要因がありそう。これから征韓論をめぐる攻防が本格化するところで下巻へ。読むのが楽しみなような、怖いような…2019/03/31
遥かなる想い
83
江藤新平の物語である。幕末における肥前鍋島藩の 風景が新鮮で面白い。 薩長中心の新政府の中で 江藤新平が のし上がっていく様が 描かれる。 凄まじいまでの改革への邁進…批判を 物ともせずに突き進む江藤新平の姿が 闊達に描かれる。 上巻は征韓論対立直前までの台頭の日々を描く。2025/05/30
香取奈保佐
61
「わしがこの世にうまれてきた意義は、日本に法治国たる基礎を建設することにある」。司法卿として日本の近代化におおきな足跡を残しながら、佐賀での反乱を企てた江藤新平の物語。法や正義に対して敏感な頭脳を持っていた彼は、法の立案にかけてはずば抜けた手腕を発揮した。一方で、征韓論ではやがて負ける西郷派に組してその没落を招いた。彼は法を設計する技術屋であり、政争を切り開く政治家ではなかったのだろう。薩長土肥の「肥」出身だったという引け目が、彼を無用な争いのなかへ引き摺り込んだように見える。後編を読んで書評かきます。2015/02/28
となりのトウシロウ
58
明治維新後の江藤新平のお話。他藩との交わりを禁ずる二重鎖国の肥前佐賀藩に生まれた江藤新平は身分も低く極貧の生活を送っていたが、維新の動きに脱藩し京へ上った後、驚く事にすぐに帰藩。そして、大政奉還を知ると藩の外交を一手に握っての躍進が始まる。薩長土肥と言われる四藩の中で、ほとんど知らない肥後佐賀藩。江藤新平も名前しか知らない人物。司法卿になって参議になって、西郷隆盛が唱える征韓論を推す中で、さて、どうなる維新後の新生日本。下巻に進む。2021/01/02




