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内容説明
後白河院とその最大の補佐役・平清盛。しかし両者はやがて激しく対立する。清盛暗殺の謀議・鹿ケ谷事件、治承三年の政変、平氏政権樹立――。対立の背景を詳細に検証し、「武士の世」前夜の権力闘争を描きだす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔亀
36
【中世21】元木泰雄は徹頭徹尾、政治史なので好みではないのだが、そのディティールの"事実"の積み重ねは中毒性があり、4冊目になる。本書は保元の乱から平氏滅亡までの通史。時代は既読本と重なるが、平清盛と後白河院の視点へと照明の当て方を変えるだけで違う景色が見えてくる。同じ事件を取り上げているのに何故なんだろう。正確に既読本と比較はしなかったが、どうも一見、"事実"の積み重ねにみえて著者の推測がかなり含まれているようだ。その推測は、"事実"の裏付けを伴って流れるように書かれるので(まるで見てきたように)↓2022/04/08
Toska
17
平清盛の覇道に立ち塞がったのは後白河院だった。彼に比べれば頼朝などは小僧っ子にすぎない。時に協調し、時に激しくぶつかり合い、最後は平家の族滅で幕を閉じる二大巨人の濃密なドラマ。とは言え、後白河の政治的な資質は清盛の足元にも及ばなかったが、それ故に意表を衝く奇矯な行動で相手を振り回すことができた。周囲に期待されないことが彼のフリーダムな性格につながったのか。「英雄」ではなくとも歴史を動かす可能性がある、実に興味深い事例と言えそうだ。2024/11/28
skunk_c
11
初め『平清盛の闘い』から読み始めていたんだけど、こちらの方が読みやすく先に読了。平安末期を象徴するふたりの支配者の協調と確執に焦点を当てたもので、清盛のたぐいまれな政治感覚の鋭さがまず印象的。対する後白河は、やはり人格的にかなり癖があった様子だけど、こちらはちょっとくっきりとは見えてこなかった。まあ御上のことなので史料の扱いも難しそう。元木泰雄のこの時代についての著作は、史料評価が面白く、人物像もかなり明確。でもこうして読んでいくと、子どもの頃すり込まれた「平家物語史観」の根深さを痛感する。2015/06/27
浦
9
大河ドラマで平清盛に惹かれて、ドラマに近い捉え方とも言える著者の本を読み始め、もう4冊目。様々な文献から、一般的な悪役としてではない清盛と後白河院の争いを読み解く。学者なのに、結構読ませる文章を書いてくれるので、こんなに硬い内容でも読み進められる。ありがたい。2017/07/19
うしうし
5
平安時代末期、すなわち12世紀後半における平清盛と後白河院の政治的な関係を詳細に解説する。時勢により刻々と変化する政治情勢や複雑な人間関係を、的確に解説するのが元木泰雄氏の真骨頂である。本書は2012年(平成24年)刊行であるので、それまでに出版された著作の内容と重複する部分も多いと思われる。すでに当該テーマの権威となった元木氏ではあるが、その根幹となる学説がどの著作の段階で初出されているのかが、逆に興味がある。過去の著作も再読し、丁寧に読み込んでいきたい。2015/04/19
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