内容説明
深海には美しい雪が降るんだ――。幼い頃に別れた父の言葉に導かれ、潜水調査船のパイロットを目指す深雪。ところが閉所恐怖症になり、叶いかけた夢は遠のいてしまう。失意に沈む深雪の前に現れたのは、謎の深海生物〈白い糸〉を追う男・高峰だった。反発しあう二人だが、運命はいつしか彼らを大冒険へといざない……。壮大かつ爽快な傑作長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
113
“宇宙飛行士の数は全世界で五百人。しかし深海のパイロットは四十人前後しかいない。そのうちの二十人が日本人だ。”へぇー!深海探査船のパイロットを目指す女性と、幻の深海生物を探す青年。お仕事小説からSFのような山場へ、そして恋と父親への思い。面白いけどあくまでエンタメだと思っていたら、実際の海洋研究所開発機構・初の女性コパイロットが解説を書いていて、一気にリアリティを感じた。海洋大国ニッポン。もっとこの世界のことを知りたい。2017/09/01
ウッディ
109
宇宙飛行士の数は全世界で約500人もいるのに比べ、深海調査艇のパイロットは40人、そんな特殊な職業を目指す女性・天谷深雪は、夢を目の前にして閉所恐怖症で広報部に異動になる。そこには、深海で白い糸のような未確認生物を見つけ、取り憑かれてしまった海洋生物学者を父に持つ高峰がいた。深雪は「しんかい6500」に乗ることができたのか?海洋研究開発機構の協力を得て書かれた小説は、この分野は日本が世界をリードしているなど、知らないこともたくさんあり、子供の頃に読んだ海底二万マイルのワクワク感を与えてくれました。2019/09/22
はつばあば
74
幼い頃、女の子は月に帰ったかぐや姫に、男の子は海底二万里に想いを馳せたものだが、今は宇宙の事ばかりで、ホントに久し振りに海の底を覗かせて貰った。お仕事小説に出会った二人はお互いに父親コンプレックス持ち・・。まぁそんな恋など置いといて・・。女性の社会進出も凄いものだと感嘆する。私なら潜水艦で海の中や、徒歩であっても迷路の庭に入りでもしたら・・方向音痴故閉所恐怖症に襲われるだろう。深海の動物をネットで見せて貰った。宇宙人が現れたような衝撃。未知の世界・自然界を大切にしないと、とてつもないしっぺ返しを喰うだろう2017/03/02
papako
70
離婚した父親が関わった有人深海探査艇『しんかい6500』のパイロットを目指す深雪。異母弟の陽生の出現でパイロットの道が危うくなる。父親が深海で見た『白い糸』を探すために転職してきた高峰と共に、深海6500を目指す。深海を探査する意義。資源が少ない日本が海底に資源を求めるのは当然。そこに深海生物を探査する意味をどう捉えるか。子供たちの夢に絡めて熱く語る。最後はあっさり見つかる白い糸。深海にはまだまだ夢がある!恋も仕事もうまくいって、楽しく読めました。深海魚を画像検索しながら読む読書でした。2021/03/27
七色一味
62
読破。『マタタビ淑子~』以来の2冊め?解説が現役コパイの外崎瞳さん。☆これほど身近でありながら、未知の秘境でもある深海に潜る「しんかい6500」とJAMSTECを舞台にした、女性初のコパイを目指す主人公の成長物語。いきなりの挫折、私的な問題などなどリアリティの高い構成でなかなかよいです。ただ、最後<白い糸>だすかな~。それは出さんでも良いような気がしました。☆読んでいて、『海底牧場』や『日本沈没』がふっと浮かびました。特に関連はないけどさ…。2015/10/06
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