講談社文芸文庫<br> 深夜の人・結婚者の手記

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講談社文芸文庫
深夜の人・結婚者の手記

  • 著者名:室生犀星【著】
  • 価格 ¥1,562(本体¥1,420)
  • 講談社(2015/08発売)
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  • ISBN:9784062901505

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内容説明

結婚 芥川君 関東大震災――犀星の見つめる生と死。生涯で膨大な作品を残した室生犀星。大正から昭和初期にかけての著作の中から、結婚や家族を対象にしたもの、芥川龍之介を中心とした交遊関係に言及したもの、関東大震災を経験し生と死について触れたものを各章に分けて編纂。小説、詩歌のみならず、日記や書簡からも犀星の文学に対する姿勢や精神を読み解く作品集。

目次

第一章 結婚について 夫婦について
第二章 友について 芥川君について
第三章 生について 死について

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

31
短編小説と、詩、随筆、日記、手紙、友人だった芥川龍之介についての思い出などについて随筆がまとめられた一冊。『結婚者の手記』の妻が家に来るまでの初々しいよろこびと不安が何とも可愛らしいのに、結婚したら、不安と嫉妬が表面化……。不器用な男。『深夜の人』の幻想的なムード、芥川らしき死んだ小説家が登場する。2016/05/27

9
★★★★★(父の死後、愛の詩集の自費出版、結婚、自己の確認、新たな出発。詩作では食えず、経済的に決して豊かではない犀星にとって、父の死(遺産)が明らかに再出発の転機となっている。結婚当初の妻との生活での戸惑い。不器用さ。しかし妻への愛の深さが感ぜられる。芥川龍之介。この人の存在と死は、犀星のみならず、当時の文学界・文士に与えた影響は計り知れない。僕の将来に対する唯ぼんやりした不安(芥川)。犀星の「僕の文芸的危期」が胸を突く。~自分は自分自身に役立たせるために此の友の死をも摂取せねばならぬ。) 2012/06/08

新谷 華央里

3
室生犀星自身の新婚時代のことを書いた小説。新婚なのにまったくキャピキャピ感や俗っぽさがなく、暗くじめっとしている。 「結婚すると、ほんとの孤独がわかってくるね。」 「独身者よりもっと酷い孤独だろうな。」 ←このやりとりだけあれば、分厚い不倫ものの小説とかこの世にいらなくない?とまで思った。 2人の子どもが不在で、かわりにいる犬の存在が、どことなく精霊っぽさを醸し出し、物語に神秘的な要素を加えていた。 特に盛り上がりなどはないのだけど、また静かに読み返したくなる作品。2023/08/18

まどの一哉

2
29歳で結婚した犀星。その新婚時代をふりかえるが、新生活があまりに真面目で緊張しており、これではちょっと二人とも息がつまる感じだ。また妻の過去や動向がいちいち気になり落ち着かない様子である。妻が郷里から連れてきた愛犬クロにも嫉妬するくらいで、そんな自分を自分で嫌悪して作品化しているのだから、文学者の妻となるのも大変なものである。 高利貸しのことを隠語でアイス(氷菓子)と言っているのが面白い。本人の前でも言う。2017/08/02

コホン

1
「結婚者の手記」が印象的。なんで、そこまで冷たいの?と思うのだけれど、あれが、いわゆる嫉妬からくるものだとしたら、哀れだ、と見方も変わる。だけど、奥さんがかわいそう、と思ってしまう。2014/07/08

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