内容説明
地球に生命が誕生してから40億年。現生する生物は約5000万種と言われるが、
絶滅した種を含めれば何億、何十億という数にのぼる。進化とは無数の偶然と必然から始まり、
つねに勝ち抜いてきた者こそが生命なのだ。
遥かなる40億年の地球史の中で森が誕生し、
さまざまな動物たちが大地を駆け抜け、そして、我々ホモ・サピエンスが誕生した歴史をひもとく。
生命とは何か?進化とは何か?生命と地球がたどった神秘の一大叙情詩。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔亀
52
下巻も快調に人類の誕生までの生命の一大シンフォニーが続く。地球の46億年史は奇跡の歴史だったが、生命の40億年史は驚異に満ち満ちている。共によくぞ現在の姿になったものだという偶然の幸運に感謝の念に堪えない。地球の歴史はそれでも解明されてみれば、さもありなんと納得できるのだが、生命の進化は信じられないという驚異以外の言葉がない。それは生命の誕生を始めとして解明されていないこともさることながら、競争に勝ったから生き残ったという強者の歴史になっていないからだ。微生物も植物も動物も、それぞれの地球環境において↓2016/07/13
ふろんた
16
教養としての生命史もさることながら、現代のエピソードを交えて、面白みが増す。2015/04/28
えも
15
後半は石炭紀から現代まで。しかも恐竜絶滅のみに力をいれず、あらゆる時代を公平に扱ってい。そんなところにもき共感します。読むのに時間がかかったけど、充実した読後感でした。2014/04/18
白義
13
大いなる偶然の連鎖による、調和と混沌どちらにも満ちた生命の歴史も、いよいよ我々の物語に繋がるところまで進んでいく。全ページどのエピソードを開いても面白くて、読者を退屈させない話の選び方が上手い。恐竜の話なら恐竜なんてみんなが語ってるし……とちょっと冷めながらも過不足ない逸話を盛り込み、隕石衝突説が巻き起こした大論争を臨場感たっぷりに描き学問の現場へと誘ってくれる。古生物学、そして地球の生命そのものの見方が鮮やかに変わっていく素晴らしい歴史書だ。マイナーな生き物もちゃんと目を向けているのがいい学者の本ですね2019/01/30
ああああ
11
ああ面白かった40億年が終わってしまった。そして始まってしまった(人類の歴史が)。下巻は恐竜時代からの数千万年が目まぐるしいけど、数億年間で何度もあった大量絶滅を考えれば、滅亡も興隆も生命の輝きの一部なんだと思えるなあ。しかし地層のイリジウムの含有量や深海の原始的な生物から、過去の生物や絶滅の原因を探っていくようすなんて、サスペンスドラマの謎解き的な気持ちよさ。各専門分野の安楽椅子探偵さんたち(きっと超泥臭くて人間臭いけど)と、語り手の著者に感謝。2017/07/18