内容説明
地球は太陽を囲んでいた宇宙の塵(超新星の残骸)から誕生した。
そして最初の生命が始まったのは酸性の硫黄臭漂う地獄釜のような過酷な地だった。
塵から生命が生まれ、豊穣の海で進化を重ね、陸地に上がるまで―生命が誕生した40億年前の
遥かなる地球の姿を大英自然史博物館の古生物学者が再現する。
絶滅、地殻・気候変動、そして進化と地球が辿った40億年の壮大な歴史を、著者自身の自分史、
古生物学者たちの夢の跡に重ねて語る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔亀
50
無味乾燥な教科書的な生命史とは対極にある。かといって生命史によくあるダーウィンの進化論をめぐる理論的な書でもない。本書でも言及されている、あの面白さでは群を抜いているグールド「ワンダフル・ライフ」(私はかつてこれで進化論に嵌った)が理論寄りに思えてしまうほど、生命の豊饒さに満ちている。ひとえに著者が発掘探検の現場の人、ということがあるのだろう。化石発掘の現場から積み上げることで、あたかも生命そのものが語りかけてくるような生命史なのだ。地質学=地球史と一体で語られるのも嬉しい。2016/07/10
ゆかーん
41
かなりコアな生命誕生のお話。初めは、原始スープという命の詰まった有機物の話から始まり、徐々に細胞、三葉虫の話へと移って行きます。でも、とても専門的なので、面白いというよりか、生命の移り変わりを学んでいる感じ。かなりマニアックなので、ここいら辺で失礼することにします…すいません。2015/10/10
白義
20
地球にちっぽけな有機生命体が生まれてからホモ・サピエンスが台頭するまでの全歴史、その解明に尽力した学者たちの生き様を情感豊かに、エピソード多めに語った大著。上巻では生命誕生から海洋での進化、陸上上陸までを扱う。語りが巧みで、ストロマトライトの中の見事な生態系や細胞共生説をじっくり解説した後、しかしその生命の平和共存の時代は終焉、殻というものが生まれ、食うか食われるかの捕食関係が進化史に初めて、そして以後の歴史にとって決定的に導入され、「牙と爪を血に染めた自然」が始まったなどと指摘する文才の見事さはダントツ2017/03/20
翠埜もぐら
16
「自然史」だけでなく「研究史」や「研究者」のエピソードも交えて話が飛び交うので、その分話が助長気味でちょっと読み難かったです。しかしみんな大好きアノマロカリスが出てくるカンブリア紀までたどり着くのが大変。私が想像する「古代の海」って地球の年齢から言うとつい最近だったのね。そして改めて微小化石からの情報量がどんどん増えていることに驚きました。古生物学って顕微鏡の世界だった。そういえば有史の考古学も最近は顕微鏡が必須になってきていているなぁ。「研究方法」の進化にもびっくりだわ。2024/10/28
ふろんた2.0
15
読んでて熱を帯びてくるまでに少々時間がかかってしまった。まだ海洋生物の時代。2015/04/27
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