大江戸商い白書 数量分析が解き明かす商人の真実

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大江戸商い白書 数量分析が解き明かす商人の真実

  • 著者名:山室恭子【著】
  • 価格 ¥1,705(本体¥1,550)
  • 講談社(2015/07発売)
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  • ポイント 450pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062586054

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内容説明

零細店舗あふれる江戸の町。外食屋七〇〇〇軒。一二六人あたり一軒の古道具屋。米屋は一日三〇名程度の来店客――。十数年しか続かず、血縁原理も働かなかった商家がほとんどだった花のお江戸の商人たちの選択のドラマとは? 狭くて人口密度が高く、売り手買い手ともに自由な一大消費都市江戸の商いのありようとは? 四〇〇〇軒の商家を徹底的に数値解析することで、従来の大商家「越後屋=三井」史観に決別する。(講談社選書メチエ)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

onasu

21
江戸時代は、身分を問わず世襲の世の中かと思いきや、お江戸の商人の統計資料にあたってみると、商店の平均存続は15年、しかも血縁相続は少数派だった!  まずは人口分布。残念ながら各町の住民数が分かる資料はないが、髪結床を調べた資料で割り振ってみると、半数近くが日本橋界隈、また他の資料と付け合わせると、今で言うなら1Kに家族4人!  次いでは商店。各町にあるのは、米屋、炭薪屋など生活必需品の店で、呉服や薬等の贅沢品は日本橋。この辺は合理的だったよう、等など数量分析で明かされるお江戸は、刷り込みとは違う顔だ。2015/11/03

小鈴

17
サブタイトルの数量分析がキモ。江戸商人の分析は資料の揃っている三井に集中しているが、日常の江戸を知るために資料から地道に商人データベースを作成。深く狭いケーススタディ(三井)に対して広く浅い数量分析から見えた姿とは。店の平均存続年数は15.7年、継承関係は血縁相続ではなく金銭譲渡。つまり非血縁原理に基づく流動性の高さが浮き彫りとなり、完全競争で薄利寡売の厳しい姿であった。また、5章では既得権(株仲間)の保護(復活)か緩和かのお上と商人のやりとりも面白い。難はExcelに慣れてないのか数値等が見にくいことか2015/09/13

mushoku2006

15
数量分析により江戸の商人の姿を浮き彫りにした歴史研究書。 ここまで分かっちゃうんだなあ・・・・・・。 もちろんベースとなるデータが残っていただけでは無理で、 それをきちんと分析できる著者のような研究者がいてのことですが。 しかし、商いの競争が江戸の昔も激烈だったんだなあ・・・・・。 ただ、最後の第五章はどうでしょう? こういう文章は佐藤雅美さんのような本物の小説家の方に描いてほしかった。 中途半端で読みにくいんですが。 2016/02/26

Shimaneko

13
分析の土台となる「自前データベース」自体にだいぶ偏りがありげなので、導き出された結果も丸呑みにはしないほうが無難そう。でも、町方商人の平均営業年数が15.7年と意外に短かったり、その大半が血縁原理ではなく他人への株譲渡だったりという傾向は、ざっくりながら興味深い。江戸版ウォーカーみたいな『江戸買物獨案内』が面白そう。誰か現代語訳付きで復刊してくれないかな。ちなみに予想以上に図表が多く、音訳者泣かせの1冊でもあり。2016/01/14

Rootport Blindwatchmaker

9
「一族で代々のれんを受け継ぐ」という江戸時代の商人のイメージを払拭してくれる1冊。従来の研究は三井家のような大店の帳簿に基づくものであり、多数派である零細な商人の動向を反映したものではなかった。数量分析で見えてくるのは、江戸後期の日本が「産業革命の一歩手前」まで到達していた姿だ。のれんを子孫に継がせる例はわずかで、大半の商人は金銭取引で営業権を売却していた。商人たちは封建制度の崩壊をいち早く経験していたわけだ。花の大江戸でも、現代と同じ経済原則が働いていた。江戸時代と現在とが地続きだと感じさせてくれる。2017/02/28

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